小説4

□32 彰人とマスク
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「あー…動悸が」
「えっ、大丈夫?熱で?」
「お前のせいかもね」

額にキスする。

「何もしなくていいから、添い寝して」

落ち込んでいる広樹に言ったら、感極まったような顔で首に抱きついてくる。
よしよし。かわいいな。

「あっくん…」
「ん」
「えへ…勃ったよ」
「えへ」

…じゃねえ!

「…ふざっけんなよお前…」

一気に気が抜けて後ろに倒れこむ。
もう…寝かせてくれ…。寒い…。

「あーっあっくんだめ、寝ないで、一発ヤってからにして!」
「ばかかよほんとおまえいっかいしねよ」
「あっくん!あっくんたらぁ!」
「はいはい無理無理今日は絶対無理。ばかじゃねえの。熱あるっつってんだろおやすみなさいご苦労様でした」
「そんな!困ります!」
「俺の方が困りますぅ…すぅー……スー……」
「寝ちゃダメ!あっくん!ねえ、立ちバックか駅弁して!」
「はっ?ぐはっごほっ意味わかんね!なんでよりによってそんな疲れる体位なんだよ!ここはせめて騎乗位だろうが!」
「いやだぁ!寝ないで!間を取って正常位でしてよぉ!」
「正常位が間であることを詳しく説明しろ」

もう!と言いながら広樹は一度離れ、スポーンと服を脱ぎ、全裸になって再度抱きついてきた。

「ねえ、ほら、暖かいでしょ?だから…ね?」
「…もう…お前…ほんとやだ…お前やだ……」
「あっくんの、ぺろぺろしたいぃ…」

もそもそと俺の前を寛げる広樹に、もう抵抗をする気力もない。されるがままだ。

「ああ…広樹に凌辱される…」
「たまにはそういうのもいいねぇ、うふふふ」
「ちょっと、寒いから早く暖めて」
「うん。がんばるねっ」

ちゅるちゅると音をたててしゃぶられ始めたら、どんどん体が温かくなってきた。

「あー……は…」
「んっ、んちゅ、あっくん…」
「…もっと…先っぽ舐めて」
「うん…ん…んく…ん、んん」
「喉突いていい?」
「ん、だめぇ」
「なんで。…もっと奥まで咥えて」
「くるしいから…やぁ…ぐぅ…ん…ふ…」
「あー…喉締めて…おらもっとちゃんと咥えろよ」
「う…う、うぐ、んん、ん、んふ」
「…で、体位は何がいいって?」
「んんっ、んう、あ、あふ、」
「はは…すげえよだれ出てる」
「くるし…ん…」
「かわいいよ」

意地悪しすぎたかと1ミリくらい反省して、苦しさから涙目になった広樹を抱き上げる。

「どうしてほしいの」
「…立ちバックがいいの…」
「カーテン開けるから窓に手つけよ」
「いやん…見えちゃう…」
「うるせ」

広樹の上半身だけをカーテンのあちら側に出す。

「あんまりかわいい顔晒すなよ」
「あん、無理っ、あっくん、見えちゃう!人が…」
「いいって、ほら、挿れてやるからがんばれよ」
「むりぃ!ああぁん!…く、ああ…うん…ん、んん」

必死に声を我慢している広樹の後ろから思いっきり突っ込んで一気に奥を突く。

「っんん!……う…ん、ん、っ、ん」
「あー…すげー…あったかい…」

腰を回して限界まで深く。

「んあ…あっくん……ひ…うう…」
「なー、かわいいな、お前。つかまじ寒いから。さっさと終わらそうな」
「いやだぁ…あ…!あんっあん、あん、あん、あん、っ、あ」

腰を鷲づかみにしてぱんぱん音が鳴るくらい腰をぶつけると、広樹の軽い体はがくがく揺れた。

「さむー」
「いやぁ!だめ、だめっ………」

急に静かになったと思ったら、外を人が歩いていたらしい。

「恥ずかしいの?お前そんな感覚あんの?」
「っ、く…あるぅ…」

一生懸命我慢している広樹を見て興奮した。

「はー…やべえ」
「あっくん…いやぁん…」

出し入れをしながらべちべちと白いケツを叩いてやる。

「きゃあ…っ、あ、ああ…ん…ん、んく…う…」
「あっちい。汗かく…な、気持ちいい?」
「すっごくいいよぉ、たくさんして、ね」
「中出ししていい?」
「やあ…だめっ、んん、あん、あ、」

後ろから覗き込むと、広樹のペニスがガン勃ちで濡れ濡れだった。
握って扱く。

「いやっ、だめ、だめ、あっくん、イっちゃうからぁ!」

疲れてきたのでベッドにぶっ倒して上から覆いかぶさった。

「あっくん、あつい、すごい、ああっ」
「俺は、寒い」
「きちゃうぅ、だめえ!あああ!」
「…ん……あ……」

射精したら、一気に体力の限界が来た。俯せでぐったりしている広樹の横に倒れこんで、即毛布をかぶる。

「死ぬ」
「え!あっくんだめ、死んじゃだめ!」
「…つかれた……」

眠りに落ちる寸前、広樹の手が頭を優しく撫でたのがわかった。



「あっくん…俺、風邪ひいたぁ…」

次の日、ずびずびと鼻を鳴らしながら俺のベッドから出られないでいる広樹を見下ろす。
すっかり体調の戻った俺は、自分の流されやすさにため息をついて、広樹の頭を撫でてやった。




-end-
2014.11.5

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