小説4

□切望
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「恥ずかしい?」
「なんで…いっつも…ちゃんづけすんの…」
「かわいいから」
「…んなわけねえし…」

歩は照れて腕で顔を隠してしまった。

「あゆちゃん。かわいい顔見せて」
「…やだ…」
「歩」
「んっ、ん…」

顔を背けようとする歩を少しだけ押さえつけて、何度もキスをする。そうするうちに、逃げようとすることをやめ、ちゃんと正面から俺のキスを受け始めた。

「んー…」

甘えたような声を出されて、最大限に優しくしてやりたくなる。

「こうすけ、こうすけ、やりてぇ…すっごい」
「…うん」

声が上擦らないように気をつけながら返事をする。情けない。
歩の体を俯せにして弄る。歩はそれだけでもう息を荒くした。

なんだか少し、いつもとは違う感情が湧く。それが何なのか、この時点ではまだわからなかった。

首筋に吸い付いて、仰け反る体を抱きしめながら舐め上げる。

いつもならそのままじっとして声を殺すのに、歩ははあはあと喘ぎ混じりの息をしながら後ろ手で俺に触れようとした。

「あゆちゃん。積極的だな」

うう、と唸って、歩は俺の体の下から這い出た。ソファを降り、床に座って俺を見る。起きろ、と言う。

戸惑いつつ上半身を起こした俺の腰にふにゃりと抱きつき、そのまま下のジッパーを下げられた。

「は?何、おい、歩」
「…何って?」
「…何」
「いいだろ」

歩は俺が抵抗すると思ったのか、若干急いで俺のペニスをパンツから出した。
そうして、ぱくっと咥える。
ちろちろと舌を出し、先端を舐め、半分ほどを口に含む。

あまり上手ではない。歯があたる。
でも、普段そんなことをしないので、異常に興奮した。

あまり息を弾ませないようにして、ゆっくり歩の頭を撫でる。ワックスでスタイリングされた髪の毛は、指通りが悪く、少し軋んだ。

「…気持ち悪い?」

上目遣いで見上げながらそんな殊勝なことを聞くので、もっとわしわしと撫でてやった。

「気持ちいいよ」

その証拠に、お前が舐めてるそれがそんなになってんだろ、と思う。
膨張して痛いくらいだった。

んんっ、とくぐもった声を上げながらフェラをする歩に、カウパーが滲むのがわかる。
照れくさくてもうやめて欲しくなった。

嬉しいし、恥ずかしくて死にそうだ。

「…すげえ、硬くなった」

何だか得意げに言われて、何も返せない。

ソファに仰向けに倒れた俺の上、歩が下だけを脱いで跨る。

「お前酒飲んで変わりすぎだろ」
「何が」
「こんなこと…しないくせに、いつもは」
「…俺は大人だっつーの、もう」
「成人もしてないのに?」
「精神年齢がたけーんだよ」

少しずつ濡らして、少しずつ拡げる。ローションとゴムを協力して相手の体に使う。
そんなことも、普段のこいつならしない。

歩はなるべく自分がセックスに関わらないようにしている。いつも主導権を握っているのは俺だ。

歩がゴムをつけた俺のペニスを支えて腰を下ろした。
飲み込まれるところが見える。

「…ん……あ……っ」

もう少しで全部、というところで、下から突き上げる。

「ああっ!」
「…っは、歩…」

ゆっくり腰を回すと、歩はひときわ大きく喘いだ。
表情が緩んで、ひどくセクシーに見える。

「待って、俺が、やるから…」

歩は俺の肩を両手で押さえ、膝をついて腰を少し浮かした。そうして半分ほど抜き、ゆっくりまた腰を落とす。

「う…」

思わず呻く。
歩は俺を見下ろしながら何度もそれを繰り返した。



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