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□片想い、両想い
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「お、藍! ちょっといいか?」
違うクラスの大輝は最近よく、
藍のクラスに遊びに来る。
「いいよ♪」
藍はにっこりと笑って答える。
放課後にゆっくり話せるこの時間は
二人にとって、
とても大切な時間だ。
「今日な、新しい雑誌の発売日だろ?
学校抜けて買ってきちまったんだけど…
見るか?」
大輝はそう言って鞄から雑誌を取り出した。
「ええ!? ちょ、抜け…
サボったの!?」
「おう!」
「もう…笑顔で言うことじゃないよ…」
藍は脱力して机に崩れた。
「今度一緒に抜け出すか?
案外あっさり抜けれるぜ?」
大輝は嬉々として言うが
藍はもちろん。
「お・こ・と・わ・り」
「だよな…ってか、ほら雑誌。
お前読むだろ?」
「読むけど…」
藍は受け取ってページをめくる。