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□放課後デート
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「おい藍、帰んぞ」

「あ、うん!」


学校が終わった放課後。

藍は大輝が来るまで教室で一人、

待っていた。


「あー疲れた」


大輝は廊下を歩きながら

藍にもたれる。


「部活に出たんだ?」

「ああ。腹黒眼鏡に言われたからな…」

「偉い偉い! その調子で毎日行って!」

「やだね」


大輝はもたれるだけでは足りず、

藍を抱きしめる。


「もう…っ!

大輝…恥ずかしい…///」


別のクラスの男子や女子が

こちらを見る視線が痛い。


「いーだろ、別に。

お前は俺の彼女なんだし。

見せ付けてやる」

「もう!」

「はっ…周りの男は

俺が羨ましいんじゃねーの?

こんなにいい女、他にはいねーからな」

「また、そういうこと言って!

可愛い女の子は他にいっぱいいるじゃない」


藍はため息をつきながら

大輝に言うが、

本人は聞くつもりは無いようだ。


「他にいるわけねーだろーが。

じゃなきゃ、

俺がここまで惚れるわけねーだろ」


大輝は生徒玄関に着くと、

藍の靴を出して自分の靴を出す。


「ほらよ」

「あ、ありがと」


置かれた靴を履こうとすると

大輝は藍をきつく抱きしめた。


「大輝…?」

「俺はお前が好きだ。誰にもやらねえ」


耳元で、低く、囁かれる。


「どうしたの…?

あたしは…大輝の彼女だよ?

それにあたしだって大輝のことが、

…大好きだよ?」


藍は背中に大輝の体温を感じて。

大輝は藍の体から熱を感じる。


「あたりめーだ。

俺がどんだけ苦労して

お前を落としたと思ってんだ」

「見事に、落とされちゃったよ」


藍は大輝に向きあった。


「もう、大輝しか見えないんだから。

ちゃんと責任取ってよね」


藍は大輝の額を指で弾いた。


「って! ったく…あったりめーだ。

俺以外見る必要ねーだろ」


藍は大輝の言葉に頷いた。
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