記念作品
□姫様8000人突破記念
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「楽しかったーっ!!」
「…そうか、それは、よかった…」
アードライは額を押さえて
未だに脳が揺れている錯覚から逃れようとする。
流石に心配になって、アードライに聞いた。
「アードライ、大丈夫?」
覗き込んでくる仕草が可愛らしかったが、
今の彼に嬉しがる余裕は無かった。
「…いや、大丈夫だ。多分、おそらく…きっと…」
「あ…大丈夫じゃないね」
「…すまない」
アードライがぐったりとしていたので、近くのベンチに座ることにした。
「絶叫系がダメなら、教えてくれればよかったのに」
「言えるわけ無いだろう」
「どうして?」
彼は顔を彼女から逸らして、ぽつりと言う。
「お前が楽しそうにしていたし、
何より私のメンツの問題だ」
彼女はアードライの言い分に、ふふっと笑みをこぼした。
「それも、そうだね。
でも、機体に搭乗しているのは平気なんでしょ?
絶叫系がダメだとは、思いもしなかったな」
アードライは少しむっとするが、何も言い返せない。
しかしここで負けるわけにはいかない。