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□アードライ 長編小説・第一幕
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「…」


腕を引かれながら、わけも無く空を見上げる。

夜空には星が瞬く。

こんなにも喪失感を抱えているのに、

満たされていた昨日と同じように、光を放つ。

月の光が、前を歩いている軍人を照らした。


「どうして…」


そんな呟きをアードライは気づいていたが、

答えるわけにもいかず、黙っていた。
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