Selfish girl

□言葉にしなくても通じる。
1ページ/4ページ



出勤初日から何週間か経って、
私も随分仕事に慣れてきた。
しかしまだ一度も緊急収集のベルは鳴ったことがない。



「最近緊急収集鳴らないっスね〜
こんな鳴らないの初めてじゃないっスか?」


「良いことだろ?」


「でも俺暇っス〜」


「なら仕事増やしてやる。」


「ゲ、それはいいでーす!
でもなまえちゃんもそう思わない?」


『私は毎日ドキドキだよ?
だって初めての現場だし…
いくら訓練でやってきたとはいえ訓練通りになるとは限らないし命の危険があるからね!』


「これが普通の感想だ。」


「え〜でもなまえちゃんが危ない時は俺が守ってあげるから大丈夫〜♪」


『本当に?ありがとう♪
じゃあ私もシュウ君が危ない時は私が守ってあげるっ!』


「おぉ〜痺れるね〜♪♪♪」


「なまえ!
間違っても監視官が執行官を庇うな。
特にコイツのことは盾に使うくらいの気持ちでいろ。」


「宜野サンひっでぇ〜!!!
いつも俺のこと盾として見てたんスか!?」


「それ以外に何がある。」


「ひっでぇ!!!」





《緊急収集、緊急収集
六本木一丁目でサイコハザート確認。
潜在犯と思われる人物のデータを端末に転送します。
速やかに対象を保護、または排除して下さい。》



「お、噂をすればっスね!」


「無駄口を叩いてないで行くぞ。」





ついに来てしまった緊急収集。
正直ドキドキが止まらない。
伸兄をチラッと見ると目で大丈夫だ。
と言ってくれた。
しかし、
いくらなんでも現場では伸兄について回ることは出来ないだろう。
只でさえ監視官不足。
私と伸兄が行動を共にすることはまずないだろう。
私がしっかり皆に指示を与え行動しなくてはならない。









「今回の潜在犯は5人グループだ。
奴らがどの様に別れ潜伏しているのかは不明だが、
この廃虚地のどこかに居ることは確かだ。
通報があってからすぐに警戒態勢がひかれたので、
この外に逃げ出した可能性は低い。
単独には絶対になるな。
班を3つに分けよう。
俺と縢、
六合塚と征陸、
なまえと咬噛だ。」


「え〜俺なんで宜野サンとなんスか!
なまえちゃんとがいい!」


「なまえはまだ新人だ。
お前が新人の面倒を見てやれるとは思わない。
本当は征陸が適任だが、
前回の怪我がまだ完治していない。」


「何、これくらいどうってことないさ。」


「お前がどうってことなくても万が一なまえに何かあったら、
只でさえ監視官不足は深刻なんだ。
困る所の騒ぎではない。」


「素直に心配だからって言えばいいのに。」


「六合塚!」


「あら、ごめんなさい。」


「くにっちもなまえちゃんと一緒がよかったんだよね〜?」


「…」


「お前ら緊張感を持て!
咬噛、怪我させるなよ。」


「分かってるよ。」


「では行くぞ。」



 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ