拝啓霧野蘭丸様
□第2章
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「あの、大丈夫?」
「あっ、うん。」
取り合えず手を差し出して倒れいた女子生徒を起こす。
「俺、前見てなくて。本当にごめん。」
「大丈夫だよ。でも次からは気をつけてね。」
その女子生徒はそう言うとニコっと微笑んだ。
一言でいい表せば純粋、と言う言葉がぴったしな容姿。
綺麗な長い黒髪がよくにあってる、と思う。
しかし俺の目線が顔から少し下に移った時だった。
その女子生徒の胸元には赤いリボン。
赤いリボンと言えば...、
「3年生!?」
「えっ、そうだけど。」
そう言ってまた純粋な笑顔をする女子生...じゃなかった、3年の先輩。
「あっ、俺敬語使ってなかった、すっすみません。」
慌てて謝る。まさか先輩だとは思わなかった。
やらかした、完全にやらかしたなと大きく心でため息をした。
「気にしないで、ねえ、図書室から出てきたって事は図書委員?」
「えっ、まっまあ。」
「本当!?私、図書委員の委員長になったの。よろしくね。」
「はい、よろしく、お願いします。」
なんだか、ぎこちない挨拶になってしまった。
ぶつかった事や、敬語に関すると俺、変な後輩決定だ。
「じゃあ、図書室はいろ?」
「あっ、はい。」
先輩につられてもう1度図書室に逆戻り。
そういえば、と思い出す事が1つ。
名前なんて言うんだろうか...?
うっかり聞き忘れてた。