拝啓霧野蘭丸様
□第4章
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「先輩はやったことあるんですか?」
「うん、2年生の時にね。だから継続って感じかな。」
こんな面倒な委員会を継続でやる苗字先輩の事をすごいと思う。
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しばらく2人共口を開かなかった。
ぎこちない空気が流れる。
「...あの。」
やっぱりこう言う空気は苦手だ。
何か話題はないかと思い考えた末1つの事が頭に浮かんだ。
「なに?」
「苗字先輩と南沢さんが付き合ってるって本当ですか?」
なんとなく出てきた事。
軽い感じで苗字先輩に言った。
「...付き合ってるよ。」
本当だったんだ...。
「なんか意外です。南沢さんの周りにいる女って派手じゃないですか、」
「...そうだね。」
なんでもっと早く苗字先輩の声が震えてる事に気がつかなかったんだろう。
「なんで苗字先輩みたいな純粋な人が南沢さんなんだろうって、」
言葉を続けてしまった俺は最低だ。
「......。」
「なんか正反対って感じがするような、」
本当にバカだった。
「っ、」
「苗字先輩?」
「やっぱり私は南沢君と釣り合ってないんだね...。」
ガタン...
「えっ!?ちょっ、苗字先輩!」
苗字先輩は椅子から立ち上がるとそのまま図書室を出て行った。
最後に見た苗字先輩の目には涙が溜まっていた...。