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□偶然を装って
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おいおいおい!!
待てよ待てよ?


いつもはストレートヘアの名前がゆる巻きヘアだと!?


「佐久間、お前気持ち悪いぞ?」


「見たかよ、源田!ゆる巻きだぜ!?」


「あー、はいはい。見ました見ました。」


「可愛い。」


男ってギャップに弱いって言うけど...本当だったんだな。
と、一人で感心。


「おはよ、って名前巻き髪じゃん。」


「そうなんだよ辺見、可愛いよな。」


「まぁな。」


「あっ、おはよー。」


数メートル先で友達に挨拶をしている名前。
うん、癒しだな。


「あいつ、毎週水曜の放課後に駅前のカフェ寄ってくぜ?」


突然の辺見からの情報に目を丸くする。


「えっ?」


「佐久間、チャンスじゃねえの?」


「今日って、」


カレンダーを横目でチラッと見る。


「すっ水曜日!!」


「しかも今日は部活はオフだ。」


源田がそう言いながら俺の肩にぽんと手をのせた。
恋愛の神様はついに俺に微笑んだんだな。


「頑張れよ。」


「絶対に話しかける。」


「おうおう、頑張れ頑張れ。」


偶然を装って


(あれ?佐久間君?)

(よっよう!偶然だな)

(そうだね、ここ空いてるけど座る?)

(あっあぁ...)

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