short

□期待はずれのお泊り
1ページ/1ページ

「名前、好い加減にしろ。」


「へへっ、鬼道〜だいじょうぶだよぉ〜ヒック」


「はぁ、完全に酔ってるな。」


今日は元帝国サッカー部のみんなで集まって俺の家で飲み会をしている。
まぁ、かなり久々だが皆変わってないな。


「げんだぁ〜もう1本〜。」


「だめだ、名前。明日二日酔いになるぞ?」


「だいじょうぶ〜、明日仕事休みだし〜。」


そしてこの場で1番酔ってるのがマネージャーだった名前だ。
元々、酒に弱いとは聞いていたが...。
まさかここまで弱いとはな。


「ヒック、鬼道〜ワインぷりーず??」


「はぁ。」


ワインぷりーず??って...。
名前の顔を見れば赤くなっていて今にも倒れそうだ。


「ていうか、こいつ帰りどうするの?」


こちらもアルコールが回ってきたせいか、ほんのり赤くなってる佐久間。
名前を指差して俺にそう問う。


「別にここに泊めてやってもいいが、」


「えっ!?って事はつまり今夜名前とあんな事やこんな事を...」


「なっ!!」


軽く茶化すような感じでニヤニヤしている佐久間。
べっ別に俺は佐久間が言った事様な事なんて断じてしないつもりだ。


「鬼道もついに危ない方向に走ったか、」


「源田まで俺を茶化すな!」


「俺は別に茶化してなんてないけどさ〜。」


こいつら...。
そろいにそろって完全に酔ってるな。


「きど〜、」


「名前?...って、うわ、」


後ろから名前を呼ばれふと振り返ると、いきなり首に腕を絡ませてきた名前。
抱きしめられてる様な状況はある意味心臓に悪いな。


「どっどうした?」


「あのさ〜、私帰れないんだよね〜ヒック、」


「それで?」


「だから、きどーの家に泊めて〜」


「!!」


未だに首に腕を絡ませてくる名前。


「だめぇ〜??」


「いっいや、大丈夫だ。」


「マジ!?やった〜、」


泊りの許可が出たと同時に腕を離す名前。
腕、細かったな...。と意味の分からない事を考えながらワインを一口口に含んだ。


「なんだ!?鬼道が赤くなってるぞ!?」


「本当だ、佐久間!これはもしかしてのもしかしてで!?」


「うっうるさい!!これは酒のせいだ!」


決して名前が泊まる事に関して緊張とか期待なんてしてないからな、俺は。


期待はずれのお泊り


(なんでこうなった...)


その夜、鬼道の家には名前のいびき・・・ではなく、約10人大人の男性のいびきが響き渡っていた。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ