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□キスはお菓子よりも甘いです
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「さーくまっ!!」


「名前?って、...うわっ!」


いきなり黒い物体が飛び付いて来たと思えば、それはマネージャーの名前だった。


「いっいきなりなんだよ。ていうか離れろ。」


「なんか佐久間あったかい。もうちょっとだけ...。」


こいつ...。
俺が男だって分かってんのかよ。


「ほら、離れろって。」


俺がそういうと、少し頬を膨らませていじける名前。


あっ、少し可愛いかも...。


なんて思ったり思わなかったり。


「ふぅ、って、...はっ!?」


「うん?」


やっと離れたと思ったら今度は名前のその姿にビックリしてしまった。


「なっなんでお前、そんなに真っ黒で魔女みたいな格好なんだよ。」


黒いトンガリ帽子に、黒いワンピース、黒いニーハイソックスに、黒いヒールがある靴。


いつもなら気にならない薄っすらと茶色がかってる髪の毛が、妙に引き立っている。


「佐久間、今日はねハロウィンなんだよ!?」


「それは知ってるけどさ、なにその格好。」


「へへっ、可愛いでしょ?」


笑みを浮かべながらクルリと回る名前。


確かにワンピースとかもリボンとか付いてて可愛らしいといえばそうだが...


それよりも、


「ワンピースの丈短過ぎ、なんかエロい。」


「なっ、」


どうしても目のやり場に困ってしまう。


「ニーハイとワンピースとか俺の事誘ってんの?」


「そっ、そんな事ない!」


どんどん言葉で攻めて行けば行くほど顔を真っ赤に染める名前。


やばい...。
すっごい俺の好みなんだけど。もっと攻めたい。


そうだ、良い事考えた。


「名前。」


「なっなに?」


完全に警戒している名前。
軽く睨まれたが何も怖くない。


「お菓子ほしい?」


ポケットからチョコを取り出す。
たしか名前はチョコが大好きだったはず。


「チョコ?」


「そ、名前が大好きなチョコ。」


「いいの?」


「うん、ほら。」


チョコを持った手を前に少し差し出せば、警戒心を完全に解いた名前が嬉しそうに寄ってきた。


ペットみたいだよな。


スッと、名前がチョコに手を伸ばす。


そして、


グイッ...


「!?」


「捕まえた」


「!!」


さっきいきなり抱きついて来た仕返しと言った所だ。


「無防備過ぎだから、」


名前を抱きしめながら耳元で囁いでやればビクンっと身体を震わせる。


「はっ離してよ...。」


「だーめ。」


俺の腕の中にスッポリとおさまる名前。
うん、この位の大きさが丁度いい。


「チョコよりこっちのほうがいいだろ?」


少し名前の身体を離し顔に手を添える。


「えっ?...んっ!?」


キスはお菓子よりも甘いです


(なんでキスしたのよ!!)


(ダメだった?)


(だって付き合ってないじゃん。)


(じゃあ付き合えば問題ないよな?)
 

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