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「次郎、好きだよ。」


「ん、俺も好きだよ。...にしてもどうした?珍しいな、お前から甘えてくるなんて。」


付き合って一ヶ月。俺の彼女の苗字名前はどちらかと言うと控えめな性格。
告白したのは俺からだったし、キスしたり抱きしめたりするのも俺からだった。
なのに...今日は一体どうしたものだろうか?元気が無いと思ったらいきなりこうして甘えてくる。


「なんとなく。」


あ、なんとなくですか。と一時は名前の言葉に納得したがやっぱりなにか引っかかる。
そりゃ好きな人に甘えられるのは嫌いじゃあない。寧ろ好き。いつでも準備オーケーだ。
でも普段甘えてこないのに...いきなりだとなんだかテンションが狂う。


「なあ、やっぱり何かあっただろ。」


「...キスして。」


「...え?」


「して。」


本当にどうしたんだか。俺の足の間にすっぽりと納まり向き合う形でキスをねだられたらそりゃ断れない。
断る理由なんてないし、というかありがたい。


「いいよ、ん、目...閉じろ?」


名前の頬に手を宛てがえばゆっくりと閉じるその目。睫毛長いな...と思いつつ自分も目を閉じ軽く唇を押し付け離す。


「ソフトなの?」


「え?」


「もっと深いのがいい。」


「...深いの?」


そう問えばこくんと頷いてみせる名前。こんな名前初めてだ。
普段俺が深いキスをしてやれば受け入れてくれる物の顔は真っ赤、最初は若干抵抗気味。
なのに、なのに、だ...。熱でもあるんじゃないかと思ったがそれは違う様子。


「本当に何があったんだよ、いいから言ってみろ?」


「なんにも無い。」


「...じゃあキスしてやんない。」


「っ、」


「いいんだな?」


「...委員会。」


ボソリ、と彼女からこぼれたその数文字。一瞬きょとんをなってしまった。委員会?それがどうかしたのだろうか?


「名前?委員会って、」


「隣の席の子と委員会同じなくせに。」


「え、あぁ、まあ。それがどうかしたか?」


「そ、その子好きなんだよ!?次郎の事!」


「え?い、いや...勘違いだろ、名前の。」


「勘違いじゃない!このままじゃ次郎がその子に取られちゃう。」


と俺の胸板に倒れ込むように抱きついてきた。なんだ、ヤキモチか...可愛いな。
しかし、取られちゃうって...心配症なのかどうなのかよく分からないけどそんな事は絶対にない。
そっと名前の柔らかい髪の毛を撫でてやれば更に抱きしめる力が強くなった。
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