短編
□Happy Birthday!
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今日は俺の誕生日。
親にはおめでとうって言ってもらった。親父は皮肉付きだったけど。
「まだ、こない……」
携帯のディスプレイを見て、またため息。
今日に入ってからこのことを何度繰り返しているだろう。自分でも分からなくなってきた。
「電話するって言ってたじゃん」
昨日まで暢気にそんなことを言っていた、あの天然バカを思い浮かべる。
先輩の癖して俺より子どもっぽいあの人。
俺の誕生日を祝うために電話をくれる、そう言ってたのに。
「はー、寒すぎ…」
なんとなく動きたくなってやってきた家のコート。しばらく壁打ちをして携帯チェック。
依然として連絡はこない。
何で、連絡してくれないの?名字先輩
もしかして、忘れてる?