弱気な転校生

□3Days
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今日も朝から呼ばれた。

『補習』だと。



昨日、帰れと言われたが外に出ると夕日が鮮やかに照っていた。
そんな時間まで補習をやらされてたなんて…


「今日は絶対帰ってやる!」



「栗原君」

「あ!せ…生徒会長さん」

「また補習なんだ」

「はい…」

なぜか、この人だと緊張するけど安心して話せる。
外見は悪いけど、意外と優しいのかも…。


「すっぽかしちゃえば?」

「はい…僕も今さっき考えてたんです」

「ハハッ、意外と悪知恵が働くねっ」

「っ…」

八重歯が見えてくしゃっとした笑顔がすごく可愛い。

「あ、敬語やめてよ」

「え…でも…」

「俺達、タメじゃん?敬語とかおかしいじゃん」

「…うん」

「それそれ!じゃ教室に戻ろうか」


一時の心許せた時間だった。


さらに時は過ぎ、放課後。

シンとした放課後に一人残った純。
最悪、人に交じってでも帰るべきだったと後悔する。
遠回りを選ぶか近いが職員室を通るか…
しかし、遠いと先生に会う確率はある。が、近いのもまた同じだ。


純は迷った挙げ句、遠回りして先生に会うなら、いっその事一気に職員室を走り去り下駄箱に向う。
と考えた。

息を整えつつ、意を決して走り去る。

が…

「おい」

「わぁ!!!!」


後ろから足音も立てず近付いて肩を叩かれたのだから純の心臓は驚いてバクバクしている。


「お前今まで何していた?」

「い…いえ別に」

「まさか帰ろうとはしてないよな?」


「っ…いいえ」

「じゃあなんでここに突っ立っている?」

「いえ…ちょっと」

「ふーん…」
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