版権百合

□可愛い貴女
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『だからー霊は、居るんですってば!』

「しつこいわね。霊なんて居ないの。科学でも証明されて居るわ。」


「あー、またやってるよ…」


そう言い遠くで、純也くんが苦笑いを浮かべている。


わたしの名前は、間宮ゆうか。
現在は、大学生で純也くんのお兄さんの霧崎先生の教え子だ。

オカルトが、好きでそれに付いて現在は猛勉強中。
しかし、オカルトを真っ向から否定してくるこの女―

基、科学女は賀茂泉かごめ―
純也くんと同じ、警視庁編纂室の面子の一人だ。

元は、科捜研に居たらしいがどういう風の吹き回しか編纂室に来たのだ。

だが、どうもわたしとは馬が合わない様だ。
だって、オカルトを真っ向から否定するんだモン。

それに、純也くんのことも…


「ねえ、聞いてるのかしら―?」

そう言い、呆れた様に賀茂泉は私をみた。

眼鏡の奥の凛とした気が強そうな瞳―
…黙っていれば、凄い美人さんなのにな。

そう思い、じっと賀茂泉の顔を見た。

「な、何かしら…?」

賀茂泉は、何時もは釣り上がってる目を少し下げ困った様に言った。

あ、困ってる…。ふぅん、こんな顔もするんだ。
何だか、新鮮な賀茂泉を見れた気がした。

『ねえ、かごめさん―』

「…何?」

『困った顔も可愛いですね。』


スッ―


そう言いわたしは満面の笑みで、かごめさんの眼鏡に手を掛けた。

「ちょ…何を!?」

慌てて、わたしの手を払おうとするかごめさん。

『あ…返しなさい!』

だが、わたしの手の方が早かった様で簡単に眼鏡を取ることが出来た。

取り返そうと、此方に手を出してくるかごめさん。


グイッー


わたしは、片手でかごめさんの両手を掴んだ。
丁度、手錠を掛けられた様な形になった。

『な…何をするの?』

困惑するかごめさん―。

『ね、ねえ…離して』

そう言い、グイグイと自身の腕を引っ張る。

だが、わたしより力のある筈のかごめさんが中々わたしの手から離れられない。
焦って居るからか?視界が不安定だからか?…何方にせよ何だか可愛い。

わたしより年上の綺麗な女性が、小娘相手に、困ってるなんてー

「…どうしたんですか?かごめさん」

『っ…いいから眼鏡を返しなさい!』

そう言い、精一杯の睨みを利かせる。

「だったら、自分で取りに来てくださいよ…ホラ」

そう言い、眼鏡をチラつかせる。

『っ…』

そう言い、わたしの手から逃れる様とする。

グッグッー!

だが、全く抜けない。

必死に、抜け様とするかごめさんが…何だか堪らないー

『もうっー!』

グイッー

「へ?うわっ!」

全体重を掛け引っ張られると流石に、重くてわたしはかごめさんの方に倒れた。

ドシンッー!

かごめさんは、後ろのファイルを入れてある棚にぶつかった様だ。

そしてわたしは、かごめさんの腕を掴んだまま彼女の上に倒れ込んだ。

『痛いわ…』

「ったた…だ、大丈夫ですか!?」

わたしは、慌ててかごめさんを見た。

『…さっさと退いてくれないかしら?』

そう言い、溜め息を付いた。

「ああ…すいませ…」

わたしは、思わずかごめさんを見た。

倒れた衝撃で、少し乱れたシャツの胸元。そしてずり上がったスカート。

もう、駄目だーー

「ねえ…誘ってるんですか?」

『はあ…?』

「ごめんなさい。もう無理です…わたしー」

『ちょ…どういry…んっ!』

気付いたら、わたしはかごめさんにキスをしていた。

『んーっ!』

かごめさんは、イヤイヤと首を横に振った。

…かごめさん、可愛い。

わたしは、何度も何度も角度を変えながらキスをした。

『んっ…はっ…ぐっ』

かごめさんは、目に涙を浮かべて居る。

…駄目、もうわたしー

そう思い、舌を入れ様としたーー



「賀茂泉警部補!ゆうかさん!大丈夫ですかー!?」

「『!?』」

いきなり、背後で純也くんの声がした。

ダンッー

「うぐっ…!」

かごめさんが、思い切り蹴りを私の腹に入れて来た。

その反動で、後ろに倒れた。

「さっき凄い音が…ってあれ、ゆうかさんどうしたの?」

そう言い、近寄って来た純也くんを睨み付けた。

…いい所だったのに、ジャマしやがって!

「…あれ、賀茂泉警部補も大丈夫ですか?顔が赤い様ですけど、それに眼鏡は?」

そう言い、座り込んでるかごめさんを覗き込んだ。

『な、何でも無いわ///!』

そう言い立ち上がり、此方に近づいて来た。

『…っ!』

そして、倒れて居るわたしを人睨みしてわたしが握って居た眼鏡をふんどった。

そして、何事も無かったかの様に眼鏡を掛け、服を正し去って行った。

「…一体、賀茂泉警部補と何をしてたの?」

わたし達の態度を不審に思った純也くんが、聞いて来た。

「…内緒。」

言う訳無いでしょ。可愛いかごめさんの一面なんてー

そう思い、去って行ったかごめさんを見て笑みを浮かべた。


…ああ、貴女の困った顔がもっと見たいーーー



fin
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