淡い桜の夢は
□第4話
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「・・・・・ここまでくれば大丈夫ね。」
屯所から出た私はとにかく走った。
屯所から・・・・・土方から少しでも遠く・・・・・。
あそこにいては土方を殺せない。
「ガキのくせにいいもん持ってんじゃねぇか?」
「俺らによこせよ。」
声のする方を振り向くと、一人の少年が浪士数人に囲まれていた。
私は少年をかばうようにして前に出た。
「あぁ?何だテメェ・・・・・。」
「弱い者しかいじめることが出来ない虫けらに挨拶に来たのよ。」
「何だとて・・・・ぐぉ!!?」
私は思い切り一人の浪士の顔面を蹴る。
その浪士は顔を押さえながら倒れる。
「逃げるわよ。」
「え!?あ、はい!!!」
私は少年の手をとり、駆け出す。
「待ちやがれぇ!!!」
浪士達はすごい速さで追いかけてくる。
男の脚力には敵わないか・・・・・。
私は少年を連れ、近くの狭い路地に身を隠す。
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