ローズ×ソード†
□2.蝶々花
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「つまらないわ…」
蒼空はムスッとした顔で言った。
本当に、つまらない。
「毎日毎日…勉強ばっかり、さぼっちゃおうかな?」
蒼空がそんな事を考えてながら、外を見ていると部屋のドアが控えめにノックされた。
「蒼空様、ピアノのレッスンの時間でございますよ。早く支度を…」
「やだ…」
メイドの言葉を遮り、蒼空は否定した。
「…ですが蒼空様、今日はお父様とお母様が見に…!」
「…嫌だって、言ってるでしょう?」
そう言うと、蒼空は窓から外に飛び出した。しかも、蒼空の部屋は三階にある。つまり、地上からは10m程離れているのだ。
「…っ!蒼空様!」
メイドの声を後ろに、蒼空は器用に木の枝に着地すると、そのまま地面にトン、と降り、走り出した。
風を身体中に感じて、蒼空はある所へと向かうのだった。
「ひっさしぶり〜!」
と蒼空が声をかけたのは、つい一週間前にあったばかりである人だ。
「おう!久しぶりかもな(笑)またサボリかよ?」
「…うん。だって、拓人といた方が楽しいし!」
そう言って蒼空は微笑んだ。
拓人はそうかよ?といった素振りで頭を掻いた。
しかし、拓人はあることが心配だった。
「蒼空…。お前、俺らみたいな“ゴミ”とこうやって話して大丈夫なのか?仮にもお前、貴族の一人娘だぜ?」