ローズ×ソード†
□3.向日葵
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黄色い、肩より少し伸びた髪に、茶色の瞳。
髪をポニーテールに結わえているのが日向で、おろして脇をピンで留めているのが私、輝。
私達は双子だ。
多分、同じ服を着て、同じ髪型にしたら、誰も私達の区別がつかない。
それくらい私達は似ている。
まるで、コピーみたいだ。
でも、コピーではない。性格は全然違う。
日向はとにかく元気だ。さっぱりした性分で、誰からも好かれる。
それに、武道が得意だ。
一方私は、日向に比べると大人しい。人見知りもする。けど、慣れた人とは結構喋る。
私の得意な事は、医術式。日向がたまに武道で怪我をするので、それを私が治すと言う感じだ。
そして、私達は仲が良く、いつも一緒にいた。
父は冒険家だった。旅に出ては、帰ってくる。その繰り返しだ。
父はつい三年前、旅に出て、それからは家にまだ帰ってきていない。
そして、母は…
去年死んだ。
不治の病にかかって、死んでしまった。
だから、私達は父を探しに、旅に出る事にした。
ほんの少しの全財産と、着替えと、武器を持って。
父がいると言う“グランギエル帝国”を目指した。