ローズ×ソード†
□5.密会
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薄暗い空間の中に、幼い娘が5人いた。
1人は、真紅の髪をツインテールにし、緑の質素なワンピースを纏っていた。
1人は、緑色のショートカットに、白い質素なワンピースを纏っていた。
1人は、1人は…
『集まったかしら?』
繊細で、それでいて傲慢で、透明な鈴を転がしたような声が響いた。
「女王様…」
「陛下…」
「我が主…」
「神よ…」
「…」
少女らが、その人物に向けて次々と頭を垂れる。
『顔をあげなさい』
その一言で、薄暗い空間に光が灯った。
それは、城の内部のようだった。
しかし、古びていて、遺跡と言った方が割に合う。
その古びた室内なのに、一部だけ真新しいと言った感じだった。
――王席の間
その席に、すらりとした女性らしき人物が座っていた。
しかし、逆光で顔はよく見えない。
『…鍵の調査は済みましたのですか?』
女の問いに対して、真紅の髪をツインテールに結わえている少女が答えた。
「はい…だいたいは終わりました。しかし、1つ気になる事が…」
『気になる事…?』
女は訝しげに眉をひそめた。
「はい…その、鍵のそばに“錠”らしき匂いのものがいました。それに…」