ローズ×ソード†
□7.共通点
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夢をみた。
それは、遠い昔の夢だ。
僕がいて、君がいた。
僕と君は血が繋がっていた。
僕の足りない所を君が補い、君の足りない所を僕が補う。
よく、2人が一緒だと完璧だね、と言われた。
僕と君は嬉しかった。
2人が1人になれたら、完璧になれるね!
うん、2人なら完璧になれるね!
―完璧になりたいね?
僕と君でそう語った。
でも、君はもういないんだ。
僕のせいだ。
だって、君は僕をかばって死んだんだ。
もう、完璧にはなれないのかな…。
君がいないと、僕は不完全で、完璧には程遠くて、脆くて、頼りなくて、存在が曖昧なんだ。
だから、あの日僕は怖くなって君を“食べた”んだ。
とても、美味しいとは言い難くて。
今思えば、なんであんなことをしたかなんて僕には分からない。
君と僕は、一つになれたのかな…?
ねぇ、僕の中に君がいるなら返事してよ。
いつまで僕はこうしていればいいの?
とてつもない空腹と餓えと渇きの中で、僕は生きているんだ。
“死ねない”でいるんだ。
誰か、この輪廻を断ち切って。
あぁでも、もうすぐ終わりだよね…?
だってそろそろ“扉”が開くハズだから―――。
「遥と遙の日記」
その日記の側には、白骨が転がっていた。
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