ローズ×ソード†
□8.グループ
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グランギエル帝国第8番通り地区「噴水広場」
その名の通り、この広場の中央には完璧に整備された噴水がたたずんでいる。
故に、人も多い。
グランギエル帝国は法律が存在しない事から、街は物凄い事になっていると蒼空は思っていたので、噴水広場を視た時には少し驚いた。
勿論、ごろつきが集まる場所や、蒼空が予想した通りの場所もあったのだが…。
だがしかし、一体誰が整備しているのか。
蒼空はもの凄く気になったものの、この国の人がいちいちそんな事を気にするのか…と諦めた。
「お姉さん、1人?」
ふと、声をかけられた。
みるとまだ幼さが残る、どちらかと言えば可愛い少年が佇んでいた。
「え…えぇ。そうだけど?」
いきなり声をかけられた蒼空は、多少ビックリしたが相槌をうった。
するとその少年はにっこり笑った。
正直、可愛いくて蒼空はドキリとした。
「じゃあ、ぼくが案内してあげるね♪」
――案内。
そう言われ、蒼空は少年について行こうとして引き止めた。
買い出しに行っている拓人を、ここで待つ約束をしたのだ。
「ごめんね?気持ちはありがたいんだけど…。私、約束があるから遠慮しておくわ?」
だから、断った。
が、
「はァ?」
途端に少年の表情が無になった。
「ふざけんなよ〜(笑)大人しくついて来いっつゥ〜の!!」
そう、乱暴に腕を掴まれた。
「―痛っ!?」
腕がギシギシ鳴る。少年はその見た目とは裏腹に、かなり力が強かった。
正直、骨が折れるかと思った。
蒼空は抵抗したかったが、利き腕を塞がれてしまってはどうしようも出来ない。
そして、やはりここはグランギエル帝国。公共の場で何があろうと、誰も助ける素振りさえ見せない。
当たり前だ。
そんな事をしても、意味がない。
「―――っ!!」
ついには蒼空は少年に担ぎ上げられてしまった。
暴れると、手に力を込めてきて、皮膚に食い込んだ指が痛い。
必死になって蒼空は叫んだが
「うるっせぇンだよ!」
と殴られた。
やだ…
本当にどうしよう
拓人!早く戻ってきて!!
助けて―――――!!