ローズ×ソード†

□9.仲間
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ロゼルは亜人の剣を素手で受け止めてしまった人物の顔を、確認した。

見た感じ、普通の青年だ。

「大丈夫か」

「…え?あ、うん、大丈夫」

急に声をかけられた為、返事はたどたどしくなってしまった。

その青年はそうか、と頷くと亜人を蹴り飛ばした。

――は?

そうか、だけ?
てかあいつ誰?なんで急に亜人とやり合ってんの?

ロゼルは唖然としながら、青年と亜人の様子を見ていた。

蹴り飛ばされた亜人がクルッと受け身をとり起き上がり、奇声をあげながら青年に向かって突進してきた。

「ん。まだやるのか」
青年は涼しい顔をして佇んでいる。
しかし、隙が全くない。

―何なんだよ、コイツ

唖然としているロゼルを余所に、青年は背中の剣らしき物に手を伸ばした。


すらりと鞘から抜かれ…

「え…!?」

ちょっと、まって。
なにアレ、ふざけてるとしか言いようがないんだけど。

だって柄の先に“刃がない”

青年は柄だけの、剣とは言えない代物を構えた。

あんなので一体どうやって戦うというのか。

「gyashaaaaaaaaa!」
亜人が、飛びかかってくる。

「む!」

青年は柄を下段に構えた。


――劫


柄から、炎が迸った。

それは緩やかな曲線を形作り、刃のように激しく燃えながら留まった。


えー…炎の、剣?
ちょっとまって、そんなのアリ?

見たことないんだけど。

本当になんなんだよコイツ。

そう思いつつもロゼルは炎を構えた青年を見ていた。


むん、と青年が振った重い一撃をよけられず、亜人は一瞬にして灰と化した。


 
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