ローズ×ソード†

□1.薔薇
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これに反応し、ロゼルは剣を下段に構えた。



それに対して、悪魔アフェランドラは魂のカルテットを上段に構えた。



張り詰める空気…。

先に動きを見せたのは、悪魔アフェランドラだ。
こちらに向かって疾走してくる悪魔アフェランドラに、ロゼルは“小瓶”を投擲した。

小瓶の中身は…硫酸。


パリン!と音を立てて、それは悪魔アフェランドラの顔面に当たって割れた。

シュウ…と悪魔アフェランドラが身に纏っていた服は溶けたが、アフェランドラ自身は平気なようだった。

「うわ…マジ?」

当然のごとく、悪魔アフェランドラはロゼルに向かって疾走している。

そして…

「……っ!?」

ロゼルの右足に切りかかった。
右足に鈍い痛みが走り、血がドクドクと流れでた…。

「クッ…人間とは非力なモノだ!」

悪魔アフェランドラは嘲笑った。

ロゼルは右足を切られたため、思うように動けない。
そこへ、悪魔アフェランドラが再び疾走してきた。

「超最低…!」
ロゼルは舌打ちすると、小型弓を構えた。
そのまま、悪魔アフェランドラに極細の矢を放った。

矢にはアドマイヤーとか言う猛毒を塗ってある。

矢は悪魔アフェランドラの眉間に命中したようだが、毒が効いている感じはまったくない。


「これもかよ…!」
仕方なく、ロゼルはその場で剣を下段に構えた。


未だに悪魔アフェランドラは剣の矛先をロゼルに向けている。

「小娘が!くたばれぇェェ!」

その気迫に、ロゼルは身動きが取れなかった。
剣の刃がロゼルを突き刺…


その刹那。



一陣の風が、ロゼルの顔の横を掠めた。



眼を向けると、鎖があった。

その武器の名前は鎖鎌。

そして、ロゼルはこの鎖鎌の持ち主を知っている。
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