ローズ×ソード†

□7.共通点
2ページ/6ページ



「波っ……!!」

まだ幼さが残る、気迫に満ちた声が響いた。

日向が魂問気演舞の特訓をしているのだ。

意識を集中し、魂気を制御し魂棒と連携させる。

これは誰にでもできるような業ではない。

魂気とは、その人の持つ生命力でもある。
だから誰にでもある訳だが、日向のような武道をやる者と普通の人とでは魂気の流れが多少異なる。

しかも、日向の場合は異例で生まれた時から魂気が多い。


魂問気演舞は日向が父から直伝に教えられたもので、日向の質と相性が凄くいい。

さらに、日向はオリジナルの技もどんどん創ってしまう。



一方輝は、真剣に薬品の調合を行っていた。

輝はその記憶力と知識をそれで存分に発揮している。


今は亡き母から主に教わった。

母は錬金術と言う珍しい方法を使っていた。

だから輝も錬金窯と言う道具を用いて錬金術を行う。



「そういえばさ、此処で見つけた日記、気にならない?」

日向が特訓を終え聞いてきた。

此処と言うのは今、日向と輝が身体を休める為に入った廃村のことだ。


そこで2人はとある日記を見つけたのである。

遥と遙と言う人物が書いたらしい日記。

それを読む限り、数百年前から伝わる秘技を知っている感じだった。

しかも、グランギエル帝国にいる痕跡もある。

もしかしたら、この先会える可能性も無いわけではない。

しかし、まず輝と日向はグランギエル帝国に着いたら父を捜さなければならない。

元々、それが目的で2人で旅にでたのだ。

「うーん…。この人に会ってみたいけどさ…。やっぱりお父さんを捜してからじゃないと」

輝が遠慮がちに言う。

「やっぱそうだよね。グランギエル帝国ってかなり広いし…お父さん捜すのも骨だよねー!」

日向も少しげんなりして言う。
しばし考えて、さらに言った。

「…やっぱさ、“グループ”だよね!?」

…グループ?

輝はさっぱり分からないと言う顔をしている。


それを見て日向は噴き出し、笑った。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ