大好きな、君と


□どうしようこの人かわいすぎる
1ページ/1ページ






 「うおっ!」


 普段、テレビを全くと言っていいほど
 見ない私がテレビにくぎ付けになった。
 しかも、いきなり現れたソレにテンショ
 ンが上がって変な声まで出てしまった。


 「え、えるっ!」

 「…何ですか」

 「テレビみてっ」


 1人騒がしい私からゆっくりとテレビ
 に視線を移すL。そして、それを目に
 すると眉をよせて再び私へと視線を
 向ける。


 「パンダの赤ちゃんが生まれたんだって!
 パンダ可愛いなぁ。目のあたりなんて
 Lそっくりだねっ」


 そう、ソレの正体はパンダ。
 目の前のテレビの中にいる赤ちゃんパ
 ンダはまだ目も開いていないし、特徴
 的な白黒な毛もはえていないけど、近く
 にいる大人のパンダなんかLそっくりだ。


 「失礼な、私はパンダになんて似てい
 ません」

 「そうかなぁ、似てると思うんだけど。
 あっ、パンダの名前何になるんだろうね」

 「はぁ……」


 後ろからLのため息が聞こえたのは聞
 こえないフリ。そんなことより、このパ
 ンダ可愛すぎじゃない?


 「名前さん、紅茶のおかわりお
 願いします。」

 「後にして、パンダ見てるんだからっ」

 「………」






 「名前さん、そこの書類取ってく
 ださい」

 「あと少しだけ待ってっ」

 「………」






 「名前さ」

 「あとちょっと!」

 「………」




 「える、私なにしたらいいんだっけ?」


 パンダも見終わって暇になった私はLに
 呼ばれていたことを思い出した。


 「何もしなくていいです」

 「もういいの?紅茶のおかわりは?」

 「ワタリに頼みます」


 いつも部屋に私がいるときは必ず私に紅
 茶のおかわりをお願いするのに。
 私じゃなくてワタリさんに紅茶をお願い
 するなんて……。


 「もしかして、拗ねてるの?」

 「拗ねてなんかいません」


 Lはパソコンとにらみ合いするだけで私
 のほうを見ない。

 絶対拗ねてるじゃん…。


 「紅茶のおかわり淹れてくるね」


 Lが拗ねるといろいろと大変なのとワタ
 リさんに迷惑をかけるわけにはいかない
 ため、私は立ち上がってキッチンへと足
 を運ぶため立ち上がった。


 ―――その時。


 「いつもより砂糖多めでお願いします」


 Lの声が耳に入って来た。





どうしようこの人かわいすぎる
(結局、私が淹れた紅茶が飲みたかったのね)

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ