2周年おめでとう!


□ぇ、気づいてる?
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 「……眠い」

 「寝てていいですよ」

 「それはヤダ」


 あくびを1つして頬をつねるとじん
 わりとした痛みが広がった。

 現在、午前2時。

 何故、私がこんな事をしているのか
 というと、Lが寝ないから。
 ただ、それだけ。
 別に1人で寝るのが寂しいとかそん
 な理由なんかじゃなくて。

 目の前にいる猫背で目の下に真っ黒
 な隈があるこの男はもう3日も寝て
 ないから。注意してもLは全然寝よ
 うとしないから最後の手段としてこ
 の身を犠牲にしているわけだけれど
 も…。かなりきつい。


 「ねぇ、L寝ようよ」

 「じゃあ、これだけやったら寝ます」


 目の前にドンッと置かれたのはたく
 さんの資料がはさまれているファイ
 ルだった。見るからに量が多いソレ
 は私がやるんだったら1週間はかか
 るんじゃないかってくらいの量。


 「ダメ、今すぐ寝るの」

 「だけど、今日中にしなければなら
 ないことがたくさんあるんです」

 「…いい加減にしろっ」


 こんなに毎日犯罪が行われていてそ
 れをLが毎日解決している。それな
 のに犯罪は絶えることなくLのもと
 へとやってくる。それがLの仕事だ
 から文句なんていうつもりはないけ
 ど、もしLが体を壊しちゃったりし
 たら誰が犯人を捕まえるの?Lがい
 なくなっちゃったら世界中のLを必
 要としている人達が困るんだよ?


 途中、鼻の奥がつんとなって目から
 熱い何かが零れ落ちた。


 「…わかりました」


 渋々というように立ち上がると私の
 手を引いて寝室へと歩き出すL。


 「ねぇ、L」

 「…はい?」

 「私だってLを必要としてる、Lが
 いなくなると困るんだよ。わかる?」

 「そんなの……」


 わかっていますよ、と呟くLの背中
 はいつものように曲がっていたけれ
 ど、なんだか嬉しそうで



 

 ねぇ、気づいてる?
 (Lが好きだからなんだよ?)




 


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