Clap log

□ハロウィン
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 Trick or treat
 →Mihael=keehl


 パキッ……


 『メロっ!とりっくおあ……』

 「……treat」

 『そう!それだよっ!お菓子くれ
 ないと悪戯するよ?』


 ヘヘッ、と笑うとメロは眉を寄せた。
 多分、心の中では何考えてんだアイツ
 って思ってるに違いない。

 それもそのはず。
 今日の私はいつもの私ではない。

 黒いしっぽをゆらりと揺らし、
 ニヤリと笑う口元には牙があり
 紅い瞳でメロを見つめる


 『吸血鬼になってみましたっ!』


 漆黒のマントをバサッと広げガオー
 と言うとメロの眉間の皺はなくなる
 どころか深くなる一方だった。


 『もしかして、お菓子もってない?』


 それならば、悪戯をするしかない!
 ニヤリと笑いながらメロへと一歩ず
 つ近づいていくと


 ―――グイッ


 いきなり腕を引っ張られた私はソフ
 ァに座っていたメロに抱き着くよう
 な体勢になってしまった。


 『わっ、メロごめ…っ』


 急いでメロに謝ろうと顔をあげると
 同時に塞がれる唇。そこからは、メ
 ロがいつも食べているチョコの甘っ
 たるさが口いっぱいに広がった。


 「これでいいだろ?」

 『…なんだか、私が悪戯された気分』


 ちらり、とメロを見ると舌なめずり
 をしていて急に恥ずかしくなる。

 目をそらしてメロにギュッと抱き着
 くと耳元から聞こえるメロの低い声。


 「Trick or treat、もちろんTrickだ
 ろ?」

 『…拒否権はなしなのね』

 「あたりまえだ」


 そして、私の顔をぐっと自分の方へ
 と向かせると深いキスをしてくるの
 だった。




 (Trick or trick?)
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