Clap log

□Merry Christmas!
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 「サンタさん、いい子にしてるので
 来てください」


 お願いします!
 勢いよく頭を下げたら床にゴンと音
 をたててあたった。
 なにこれ、すごく痛い。


 『それは僕にお願いすることじゃな
 いんじゃないか?』


 肘をついて勉強していたメロが鉛筆
 をおいた。私が話しかけるから集中
 できなくなったらしい。

 じんじんと痛むおでこを押さえる。
 そんな私を見てメロは一瞬フッと笑
 うとすぐに悲しそうな顔に戻った。


 『それに、僕たちにはサンタさんは来
 ないかもしれない』

 「どうして?」


 メロはいい子にしてなかったから?
 ハウスの子たちをイジめてたから?
 テストで1番になれなかったから?


 『…親がいないからだよ』

 「親、が……?」


 親がいなかったらサンタさんからプ
 レゼントもらえないの?
 そんなの嘘だ。だって、


 「ロジャーが言ってたことと違う」

 『ロジャーが?』

 「うん、そばにいる大切な人を大事
 にするとサンタさん来てくれるって
 言ってた!」


 メロはハウスで2番なのにそんなこ
 とも知らないの?
 得意げに笑うとメロはキョトンとし
 て笑い出した


 『ハハッ、だから僕にサンタさんが
 来るようにお願いしに来たのか』

 「そうっ!」

 『ありがとう、僕も君のこと好きだよ』

 「本当に?」

 『あぁ』

 「じゃあメロにもサンタさん来るね」


 そうだといいな、そう呟いたメロが
 外へと顔を向ける。
 私も自然と顔を外へと向けると外は
 真っ白な雪が降っていた。





 Merry Christmas!




 

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