木ノ風
□尋問
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―――――――――朝。
『話が違うっ!』
土「うるせぇよ!
倉に吊り下げられねぇだけ感謝しやがれ!」
両手両足を縛られ、言わば芋虫状態の私は只今、新選組鬼の副長を前にメンチ切っていた。
……どれもこれも、話は昨日の夜に遡る。
――――――――――
『…あの。
僕は良いですけど、その子にあんまり乱暴しないで下さいよ。
そんなきつく縛らなくたって無害な子ですって。』
なんだかんだで屯所まで連れてこられた私は、動けないように縄で縛られている最中だった。
沖「わかんないよ?
…って言うか僕達にさっきまで食ってかかってきた子が無害なの?」
眠る千鶴ちゃんを縛り上げながらドS王子は真っ黒い笑顔を見せてくれました。
うん。悪人面。
『あれは、その、きっと気が動転してて……痛っ…』
Σ斎「す、すまない…っ」
沖田さんが千鶴ちゃんを縛っている間、私に縄を巻いているのは斎藤さんでした。
『…ぁ、いえ…大丈夫です。
お気になさらず…』
斎「……ぅ、む////」
縄が手首で擦れて思わず声をあげる度に焦ったように謝る彼は、きっと心優しいんだと思う。
斎((…涙目のまま上目遣いで見るな…っ////))
沖「ふーん…一君もそういう事考えたりするんだね?」
斎「そっ…総司!」『?』
どこか不機嫌に沖田さんが呟くと、怒ってるのか焦ってるのか微妙な表情で大声をあげる斎藤さん。
どうでも良いけど…千鶴ちゃん起きちゃうよ?
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