木ノ風

□相部屋
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土「駄目だ。(キッパリ」





……ほーら見てくださいよ皆さーん。

目の前に鬼がいるー(笑)




『…っ…な、流されませんよ僕は!
なんで僕が沖田さんと相部屋なんですか!?』


土「お前ほど怪しい奴を見張り無しで野放しにできる訳ねぇだろが。」



…くっ

確かに私は脅迫して無理矢理入ってきた人間だけど…!

怪しさだったら右に出る奴はいないけど…!



『だったら千鶴ちゃんと同室でいいじゃ』
土「てめぇは馬鹿か。
あいつが女だっつーのに男と同室にできるか!」


だぁあぁぁあぁあぁあぁ!!


そうだ私男設定だったんだぁあぁぁあぁ!


どうしよう言い訳が見つからない(泣)




山崎さんの制止を押しきって副長室に突撃した私の出願は、鬼の副長こと土方さんにバッサリ切り捨てられた。




『ぅぅ…よりによって何故沖田さんなんですか…(泣)』


絶対斬られる。


避けるけど…暇さえあれば絶対斬りかかられる。



土「男のくせにメソメソすんな!
総司の奴が自分から立候補したんだ。文句は総司に言え!」



うなだれる私の悲痛な訴えも鬼の副長には聞こえてないようだ。


どうやら1人部屋を聞き入れてもらうのは不可能らしい。




『(ヤバイよー…沖田さんは特にヤバイよー…)
あの、せめて別の方は駄目ですか…?』




それでも私には譲れない理由があった。



出会った日(昨日)も何故か抱き付いてくる程スキンシップを好む彼だ。

もし同室になったとして、彼と常に近くにいたら…



((絶対に私が女だってバレる…!!))




土「…そこまで嫌がる理由がわからねぇな。
何かあるのか…?」



うわぁ土方さん怪しんでる…!(汗)



だ、だだだだって沖田さん意外と勘が良いし、常に私の弱味を探してそうだし、斬りかかってくると思うし、見た目が男でも触れば女だってバレそうな気がするし…なんて言えるかっ!



私が動揺すればするほど土方さんの眉間のシワが大変な事に…!←


な、な、何か理由を探さなきゃ…


えっと、


『…お……』


土「お?」





『襲われそうです…(斬られる的な意味で)』


土「……………………………………………成る程な。(アレ的な意味で)」



つ、伝わった!


深く唸った彼を見て、私はそっと安堵の溜め息をはいた。






……だけど、なんでだろう。

土方さんが複雑そうな顔してるように見える。




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