『灰色の運命』
□第18話 散りゆく光の中で 前編
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「電力供給…完了。」
グッドマン「掃射開始。」
「掃射、開始します。…高エネルギー体、接近!」
グッドマン「何?」
その高エネルギー体───ビームはメメントモリを外れた。
グッドマン「外したか…。」
「粒子ビームが!」
グッドマン「なんだ?! 砲撃ではない!? ビームサーベルだとぉ?!」
刹那「うおぉぉぉぉぉぉッッ!!!」
トランザムライザーのライザーソードはメメントモリを切り裂いた。
沙慈「はっ! やった!」
沙慈は爆発するメメントモリを見た。
シン「ハッ!?」
アレルヤ「シン?」
アレルヤは突如動きの止まったデスティニーを見た。
シン「まさか…」
アレルヤ「え?」
刹那「ダメだ…」
沙慈「えっ?」
シン「や…」
刹那「やめろ…」
刹那&シン「やめろぉおおおおおおおおおおッッッ!!!」
二人の叫びは空しく、メメントモリは掃射され、軌道エレベーターに当たった。
『幸い』、メメントモリの照準はライザーソードによってずらされ、『直撃』は免れたが、軌道エレベーターのピラーに当たり、軌道エレベーターはバランス機構によるピラーのオートパージを始めた。
フェルト「レーザーがピラーに着弾! ピラーの外壁がオートパージされています!」
スメラギ「成層圏より上の破片は、断熱圧縮による空気加熱で燃え尽きるけど、それより下の部分は…地上に落ちる。」
6万人を乗せたリニアトレインは軌道エレベーターのオートパージに巻き込まれ、6万もの人命は全て失われた。
ロックオン「なんだ!?」
ティエリア「まさか?!」
アレルヤ「軌道エレベーターが、崩壊していく!」
シン「クッ!」
『現空域にいる全機体に、有視界通信でデータを転送します。』
スメラギは自ら顔をさらけ出し、この空域にいる全ての機体に通信を行った。
「なんだ?」
スメラギ『データにある空域に侵入してくる、ピラーの破片を破壊して下さい。その下は、人口密集区域です。』
「なんだって?!」
スメラギ『このままでは、何千万という人々の命が消えてしまう。だからお願い、みんなを助けて。』
ティエリア「圧縮粒子、解放!」
シン「ハイパーモード、始動!」
ロックオン「ハロ!」
ハロ「シールドビット展開! シールドビット展開!」
ガンダム達はピラーの迎撃を始めた。
「あぁ…」
その他のMS達はただただその光景を見ていた。
アレルヤ「数が多すぎる!」
シン「諦めるなアレルヤさん!」
だが、奮戦空しくピラーが人口密集地帯に落ちた。
アレルヤ「しまった!」
シン「クソッ!」
すると其処にピラーを破壊する機体が現れた。
アレルヤ「あれは…マリー!」
シン「マリーさん?!」
マリー「これは戦いじゃないわ。命を守るための!」
マリーはGNアーチャーに乗ってピラーの破壊に加わった。
ロックオン「くそっ! このままじゃ…!」
ピラーはケルディムの迎撃を抜けた。
ロックオン「しまった!」
其処にカタロンのMS隊がピラーの破壊に加わった。
ロックオン「あっ、あれは…カタロン?」
「くっ!」
ティエリア「あ、クーデター派の機体か!」
「くそったれが!」
アレルヤ「なんだ?!」
ティエリア「正規軍まで!」
シン「まさか皆…!」
ここに、CB、カタロン、クーデター派、連邦軍が協力してピラーの迎撃を行った。
ミレイナ「都市部への直撃は、何とか避けられそうです。」
スメラギ「ああ、ありがとう…。」
アニュー「こんな状況で、全てが一つに纏まっていく…」
ラッセ「皮肉なもんだな。だが、悪くない。」
ピピッ!
フェルト「はっ! 左舷よりMS部隊接近! アロウズです!」
ラッセ「この時を狙っていたのか?!」
ミレイナ「アーデさん達に撤退を!」
スメラギ「このまま続行よ。」
フェルト「いいんですか?!」
スメラギ「指揮官が彼女なら、きっと…」
スメラギの予想通り、その彼女、カティの命令でアロウズ部隊もピラーの迎撃に協力した。
マリー「あっ! あの機体は!」
マリーはピラーから出てくる機体に気付き、そちらに向かった。
アレルヤ「マリー!」
シン「マリーさんは俺が援護します!」
アレルヤ「シン、頼んだよ。」
デスティニーはGNアーチャーの援護に向かった。
セルゲイ「協力を感謝する。」
ピラーから出てきた機体は、セルゲイのティエレンタオツーとハーキュリーのジンクスVだった。
マリー「やはりスミルノフ大佐。」
セルゲイ「ピーリスか? 何故MSに?」
シン「マリーさん!」
セルゲイ「あのガンダムは…あの時の…」
マリー「きます!」
シン「チッ! まだ落ちてくるのかよ!」
ピラーを迎撃するデスティニー達にアロウズのジンクスVアンドレイ機とルイスが乗るアヘッドスマルトンが接近した。
シン「あの機体は…!」
ハーキュリー「アロウズ!?」
アンドレイ「その声は、ハーキュリー大佐!」
セルゲイ「アンドレイ?!」
アンドレイ「アンタは! 何をやってんだ!」
シン「黙ってピラーを迎撃しろ! アロウズッ!!」
アンドレイ「ガンダム?!」
ルイス「少尉!大型の破片が!」
アンドレイ「何!?」
大型のピラーの欠片がデスティニーら目掛け、落ちてきた。
ハーキュリー「くそっ! オートパージ出来ずに!」
セルゲイ「このままでは…!」
シン「ティエリア!」
ティエリア「トランザム! GNバズーカ、ハイパーバーストモード!!」
トランザムセラヴィーの砲撃はピラーに命中したが完全に破壊するには至らなかった。
「ダメか!」
そこへ粒子チャージを終えたダブルオーライザーがピラーを破壊した。
刹那「シン! ロックオン! アレルヤ!」
シン「トランザムッ!」
ロックオン「トランザムッ!」
アレルヤ「トランザムッ!」
ガンダム達はトランザムを発動し、ピラーを更に破壊した。
「……………」
だが、そんな光景を遠目から見ているMSがあった。
その機体は赤く、背部のGNドライヴと背部のリフターらしき物の二つのGNドライヴから『紅きGN粒子』が出ていた。
そのMSは迎撃には加わらず、ただただ見ていた。
そして、ピラーは人口密集地帯に落ちる事なく迎撃された。