『灰色の運命』

□第5話 アレルヤ奪還作戦
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プトレマイオス2


シンは刹那と共に沙慈のいる部屋に来ていた。

刹那「確かに、記録にある通り、スローネと俺たちは別の立場で武力介入を行っていた。」
沙慈「仲間じゃないと?」
刹那「ああ。」
沙慈「それでも、君たちも同じようにガンダムで人を殺し、僕と同じ境遇の人をつくったんだ。君たちは憎まれて当たり前のことをしたんだ。」
シン「……………」
刹那「わかっている。」
沙慈「世界は平和だったのに。当たり前の日々が続くはずだったのに。そんな僕の平和を壊したのは君たちだ!」
刹那「自分だけ平和なら、それでいいのか?」
沙慈「はっ…そうじゃない。でも、誰だって不幸になりたくないさ。」
シン「…沙慈、アンタが言う事も分かる。だけどな、今も昔もその当たり前な事を過ごせない人達が必ずいた事を忘れるな。」
沙慈「……………」
刹那「行くぞ、シン。」
シン「ああ。またな。」

シンと刹那は部屋から出た。
この後、艦内放送で『アレルヤ発見』の報が流れ、CBメンバー達はブリッジのブリーフィングルームに集まった。

シン「反政府勢力収監施設…」
ティエリア「カサンドラ。」
刹那「此所にアレルヤが。」
ロックオン「……………」

するとスメラギがブリッジに入ってきた。

スメラギ「アレルヤが見つかったって本当なの?」
ラッセ「ああ、王留美からの確定情報だ。」
イアン「これから救出作戦を始める。」
スメラギ「救出って、どうやって?」
刹那「あんたに考えて欲しい。」
スメラギ「え?」
刹那「スメラギ・李・ノリエガ、俺たちに戦術予報をくれ。」
スメラギ「そんな…」
ティエリア「彼が戻れば、ガンダム『5機』での作戦行動が可能になります。」
ロックオン「それでも心許ないが。」
ティエリア「ん!」
ロックオン「おっと…。」
ラッセ「手を貸してくれ。アレルヤを助けるために…。」
スメラギ「………」
フェルト「スメラギさん、これを。」

フェルトはCBの制服を持ってきた。

スメラギ「は…やめてよ、そうやって期待、押し付けないで。私の予報なんて、何も変えることはできない。皆を危険に晒すだけよ。」
刹那「後悔はしない!」
スメラギ「なっ…!」
刹那「たとえミッションに失敗しようとも、あんたのせいなんかにしない。俺達は、どんなことをしてでも、アレルヤを、仲間を、助けたいんだ! 頼む、俺達に戦術をくれ。」
スメラギ「……………」
シン「…俺はアンタの事はあまりよく知らない、アンタのする戦術予報もだ。でも、スメラギさん、アンタにしか出来ない事なんだよ、これは。」
スメラギ「!…………」

スメラギは皆に背を向け、ドアに向かった。

スメラギ「…フェルト、後で現状の戦力と状況のデータ、教えてくれる?」

スメラギはそう言い残し、ブリッジから出た。

フェルト「スメラギさん。」
ラッセ「そんじゃ、各自持ち場に付け!」

CBメンバーは全員持ち場に付いた。
目的はただ一つ、アレルヤ救出の為に。

スメラギ「この空母の粒子ビームを押さえさえすれば…。それにしても、ライル・ディランディのこの能力値の高さは一体どういうこと…? そして…」

スメラギはシンのデータを出した。

スメラギ「シン・アスカのこの身体データ、免疫力を中心に常人よりは高い程度の身体能力…。これが、シンの世界ではコーディネーターと呼ばれる者達の特徴…。改めて見るとやっぱり凄いわ…。」

スメラギは次にデスティニーのデータを出した。

スメラギ「デスティニー…。運命の名を冠し、核動力を搭載するMS…。今は、核動力は封印され、新たに木星から来たオリジナルのGNドライヴで動いている、か…。」

スメラギはシンとデスティニーのデータを閉じ、戦術プランの構築に専念した。
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