G00D外伝 『義翼の鳥』

□第8話 教義の果てに
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輸送機


龍義「………」

対ガンダム調査隊は、アザディスタンに向かっていた。
『表向き』の理由は、アザディスタンの宗教指導者であるマスード・ラフマディ師が何者かに拉致され、保守派が暴動を起こし、これ以上の内紛を抑えたいアザディスタン改革派の要請を受けての事だが、アザディスタンは異文化を嫌う者が多く、寧ろガンダム調査隊が来る事で『内紛の危険性が高まる』のだが、ガンダム調査隊はそれを利用し、『ガンダムを誘き寄せ、あわよくば鹵獲する』。
それこそがガンダム調査隊の『真の目的』なのだ。

龍義「…チッ、やなものだ。」
グラハム「それは私も同感だ。だが、一度内紛が起これば、必ずCBが介入する。」
龍義「…自分達がその内紛の切っ掛けのひとつになりかねない事にですよ。」
ビリー「確かにね。アザディスタンは異文化を嫌っているからね。」
龍義「…行き過ぎた信仰が内紛を呼ぶ、か…」

龍義は其処で一度現状から離れ、ビリーとレイフマンの会話を思い出した。

ビリー『やはり、この特殊粒子は多様変異性フォトンでしたか。』
エイフマン『それだけではないぞ。ガンダムは特殊粒子そのものを機関部で作り出しておる。でなければ、あの航続距離と作戦行動時間の長さが説明出来ん。』
ビリー『現在、ガンダムが4機しか現れない事と関連がありそうですね。』
エイフマン『実に恐ろしきはイオリア・シュヘンベルグよ。2世紀以上も前にこの特殊粒子を発見し、基礎理論を固めていたのだからな。』
ビリー『そのような人物が戦争根絶なんていう夢みたいな行動を何故始めたのでしょうか?』
エイフマン『紛争の火種を抱えたまま宇宙に進出する人類への警告…。そうワシは見ておるがな。』
龍義「(紛争の火種を抱えたまま宇宙に進出する人類への警告か…。イオリアはその超越した頭脳で何が分かった? 何を感じ取った? 希望か? それとも絶望か?……ダメだな。俺じゃ何も解りっこない…か。)」
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