『対話の前の日々』

□GNティエレン部隊
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人革領

荒野


月も見えない真っ暗な荒野に幾つもの赤い点が連なっていた。
それの正体はGNティエレンの正式採用機、GNティエレン2。
そして先頭にいるのは、機体各部にGNCバーニアを搭載した、GNティエレン2の後継機にして連邦軍の次期主力候補の1つ、GNティエレン3指揮官用試験機である。
GNティエレン3は、素体であるティエレンの種類によって一般機と指揮官機に分かれ、通常のティエレン(地上型のみ素体とし、宇宙型は素体にはしなあ)を素体とするのが一般機で、全領域対応型(タオツー)を素体とするのが指揮官機である。
そして、そのGNティエレン3指揮官用試験機に乗っているのは、セルゲイ・スミルノフであった。
彼はCBとの共闘によって裁判に掛けられたが、その裁判自体、茶番の様なものであり、セルゲイはCBによってティエレン全領域対応型にアヘッドをミキシングしたこのGNティエレンの評価試験の為の運用部隊であるGNティエレン部隊の隊長を受け持つ事で『無罪』となり、現在に至る。
運用母艦は、宇宙開拓時代を想定し、ギアナ級地上戦艦を全領域対応型に改良した『ヒマラヤ級戦艦』である。
ヒマラヤ級戦艦は現在、一番艦エベレスト、二番艦K2、三番艦カンチェンジュンガ、四番艦ローツェ、五番艦マカルーが存在し、更に六番艦チョー・オユー、七番艦ダウラギリ、八番艦マナスルが建造中であり、将来的には月や火星等の惑星における移動基地としての使用が可能であり、現在、GNティエレン部隊と共に運用試験の最中である。

セルゲイ「アロウズ残党の基地を確認した。これより、アロウズ残党の掃討作戦に入る。各機ミッションプランに従い、行動せよ。」

後方にいた数機のGNティエレン2が散開した。
ミッションプランとはこうだ。
先ずセルゲイのティエレン3指揮官用試験機と数機のティエレン2が先陣を切ってアロウズ残党の基地に攻撃する。
そして、反対側に回り込んだ数機のティエレン2は、襲撃によって逃亡するであろう、アロウズ残党を襲撃する役目をおっている。

セルゲイ「さて…どう出る?」

セルゲイはそう言ってトリガーを引いた。
GNティエレン3指揮官用試験機のA(アドヴァンスド)GNビームライフルから粒子ビームが放たれ、アロウズ残党基地の建物を破壊した。
そして、基地からは慌てたようにアヘッドやジンクスVアロウズ仕様が出てきた。

セルゲイ「出てきたか、各機、気を緩めるな!」

セルゲイはそう言って1機のアヘッドに照準を合わせ、トリガーを引いた。
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