『灰色の運命』2

□C.E.(コズミック・イラ)跳躍篇 第29話 帰還の宇宙(そら)
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シン「う…ん…」

シンは微睡みの中、目を覚ました。

シン「なん…だ…今の光は…? 一瞬包まれたかと思ったら、意識が一気に無くなって…あ! 刹那は?! 皆は?!」

シンは辺りを見渡した。

シン「…?」

シンはある『違和感』を覚えた。

シン「…俺達って…確か月の裏の宙域にいたよな…? 何で『月の横の宙域』にいるんだ…?」

確かに、CB号があったのは月の裏の宙域にあるラグランジュ2だった。
だが、今デスティニーがいる宙域から月を見ると、月は表と裏が半分ずつ見え、月の横だということが分かった。

シン「刹那もリボンズ・アルマークもいないし…ああ! トレミーを探そう!」

シンはプトレマイオス2を探す為に機体を動かした。

シン「…ッ? 粒子残量が『満タン』…?」

モニターには、確かに粒子残量は100%になっていた。
だが、トランザムを何度も発動した為、粒子残量は十数%しか無い筈なのだ。

シン「どういう事だ…?」

シンは更に機体を調べる事にした。

ピピッ

シン「なっ!?」

シンは余りの衝撃に目を見開いた。
デスティニーの状態は、四肢、装甲、武装、全て『出撃時の状態のまま』なのだ。

シン「なん…だと…? どうなっているんだ…? こりゃ…?」

シンは呆然とモニターを見つめていた。

ピピッ!

シン「…ハッ!」

シンはアラートに一瞬遅れて反応し、アラートの鳴った方を見た。

シン「! あの機体は…?」

シンは此方に向かう3機の『ガンダム』を見付けた。
2機は同型の黒いガンダムでイノベイドの機体とよく似ていた。
そしてもう1機はリボーンズガンダムによく似ていて、機体色はリボーンズガンダムでは赤の部分が明るい青紫で、背中にはドライヴコーンに1対のウイングユニットがあった。

シン「イノベイドの…か…?」

ピピッ

『やあ、大丈夫だったかい?』
シン「!? その声は…リジェネ・レジェッタ?!」
リジェネ「ああ、そうだよ。」

3機のガンダムの正体は、1.5ガンダムとブラックガルムだった。

シン「アンタ達も此処まで飛ばされたのか?」
リジェネ「飛ばされた…か。地球を見たらどうだい?」
シン「地球? 何で……ッ?! なっ…に…?!」

シンは地球を見て、驚愕した。

シン「そんな…まさか…?! 軌道エレベーターが…『無い』…?!

シンは地球の赤道上あるオービタルリングと3ヶ所から伸びる軌道エレベーターが無い事に驚いた。

シン「な…何がどうなっているんだ…?!」
リジェネ「どうやら僕等は過去にタイムスリップしたか、或いは『別の世界に来た』かのどちらか、だな。」
シン「!!?」

シンは『別の世界』という単語に身体を震わせた。

リジェネ「まあ、僕等は一緒の所にいるだけで運が良いとは思わないか?」
シン「……えっ? あ…ああ…そうだな…」

シンはぎこちなく言った。

ドゥンッ!

皆「!?」

突如『緑色の』ビームがデスティニー達の近くを通った。
威嚇射撃のようだ。

シン「クッ! こんな時に?!…ハッ!? あ…ああ…?!」

シンは1隻の戦艦らしき艦と2隻の巡洋艦らしき艦を見付けたが、何故か狼狽えた。

リジェネ「? どうしたんだい?」
シン「ま…まさか…?! あれは…まさか…この世界は…?!」
リジェネ「?」
シル「MSが出ます!」
リジェネ「!」

戦艦と巡洋艦から数機の見慣れないMSが出撃した。

リジェネ「仕方ないな、此処は僕がやるから、君達はそのガンダムを安全な場所に連れてってくれ。」
二人「了解!」

2機のブラックガルムはデスティニーを掴み、その場から離れようとした。
だが、敵MS隊はそれを見逃さず、後を追おうとした。
だが、その内の1機が粒子ビームによって撃墜された。

リジェネ「は! この僕を無視するとはね…僕なら幾らでも相手をしてあげるよ?」

1.5ガンダムは更にGNバスターライフルを撃ち、数機のMSを火球に変えた。

リジェネ「フ、此方としては何らかの情報が欲しいからね、あの戦艦を捕獲するか。」

1.5ガンダムは左手にGNビームサーベルを持ち、敵MS隊に突撃した。
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