『未来を斬り拓く対話と運命の翼』

□第1話 歪みの残滓
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ラグランジュ1

資源衛星群


1隻の輸送艦が資源衛星の間を縫う様に移動していた。
すると突然その輸送艦が艦首からまるで手品の様に消え失せた。
それは光学迷彩を通った事によるものであり、輸送艦はその光学迷彩に護られた衛星にあるハッチを通り、中にあるドックに接岸した。
これはCBのファクトリーであり、輸送艦は遥々『木星から戻って来た』CBの輸送コンテナである。

プシュー

イアン「待ちかねたぞ! リンダ!」
リンダ「あんッ!」

イアンは木星から戻って来た愛妻を抱き締めた。

イアン「『アレ』は完成したか!?」
リンダ「だから此処に来たのよ。」

そう言ってリンダはコンソールパネルを操作し、モニターを開いた。
モニターには輸送コンテナが映っており、輸送コンテナから2つの円柱形の物がそれぞれスタンドに搭載した状態で運ばれていた。

イアン「おおっ…!」
リンダ「これが、『私達の世代で初めて作られたオリジナルの太陽炉』…そして、ツインドライヴ専用にカスタマイズされた新型GN粒子放出機関でもあるわ。」
「まあ、2年掛けて2基しか出来ませんでしたけどね。」
「時間も人も足りないから。」
イアン「いや、かつて最初のGNドライヴを6基作るのに20年は掛かったんだぞ? それに比べたら早いもんだぞ? 大したもんだ。」

イアンはそう言ってモニターを見直した。

イアン「高濃度粒子領域内で脳量子波による意識の共有を行い、戦闘空間で人々の思いを繋げる…」
リンダ「『戦いの止めさせる為の機体』…」

輸送コンテナのリフトが動き、中から半分程の装甲が施されたMSが徐々にその姿を表した。

イアン「それが…刹那の望んだガンダム……『ダブルオークアンタ』……」

完全にその姿を表した00クアンタ。
この機体の登場により、世界は更なる変革の時を迎えようとしていた。
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