『灰色の運命』

□第12話 ダブルオーの声
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アニュー「ダブルオーライザー、トランザム限界時間に到達します。」
ティエリア「ハッ、なんだ…?」
アレルヤ「ううっ…僕は何を…?」

アレルヤはまだハレルヤに気付いていない様だ。

マリー「どうして、あたし、大佐のことを?」

ソーマはマリーに『戻った』。

シン「終わった…。」
ミレイナ「すごいですぅ!」
アニュー「理論的限界値を超えた性能。」
リンダ「予定外だわ。」
イアン「なんてこった。ツインドライヴはわしらの想像をはるかに超えている。こりゃとんでもないしろもんだぞ。」
刹那「これが、ダブルオーライザー。世界を変える力。」

ピピッ

イアン「ん? トレミーからか?」

イアンは通信を開いた。

イアン「どうした?」
フェルト『観測システムが地球圏で異常な熱源反応を捉えました。』
イアン「何?」
フェルト「至急、ブリッジに。」
イアン「分かった。よし、皆、トレミーに行くぞ。」
皆「了解(です)。」

プトレマイオスクルーとマイスター達はブリッジに集まった。

スメラギ「これは…衛星兵器。」
シン「こんな所に…?」
フェルト「恐らく、太陽光発電を応用したものだと思われます。入ってくる情報は少ないですけど。」
ラッセ「どこが狙われた?」
フェルト「中東、スイールです。」
ロックオン「スイールが?」
ティエリア「……………」
アレルヤ「スメラギさん。」
「ええ。補修が終わり次第 トレミー出航。連邦の衛星兵器破壊ミッションに入ります。各員持ち場に…」
ティエリア「待ってくれ。その前に、皆に話しておきたいことがある。連邦を裏から操り、世界を支配しようとするものがいるんだ。」
ラッセ「何?」
イアン「支配だと?」
ロックオン「どうしてそんなことを知ってる?」
ティエリア「僕は彼らと会った。彼らの名は、『イノベイター』。」

ティエリアはその『イノベイター』に関する情報を話した。

刹那「ヴェーダによって生み出された生体端末、イノベイター。」
イアン「そいつらがアロウズを動かし、ヴェーダまでをも掌握してるってのか。」
アレルヤ「ということは、僕達が武力介入を開始した5年前から…」
ロックオン「活動してた、ってことになるな。」
シン「いや、それ以上前かもな…。」
スメラギ「トリニティ…3機のガンダムスローネを武力介入に参加させ、疑似GNドライヴを搭載した30機のジンクスを国連に提供したのも彼らの仕業。」
イアン「つまり奴らが、イオリアの計画を変えたってことか。」
フェルト「そのせいで、ロックオンやクリスは…。」
ロックオン「何故、そんな大事な事を今まで言わなかった?」
ティエリア「彼らは、イオリア・シュヘンベルグの計画を続けていると言った。それが事実なら、我々の方が、異端である可能性も…」
スメラギ「そんなこと…。」
アレルヤ「そうだよ。アロウズを創り、反政府勢力を虐殺。そんなやり方で、本当の平和が得られるわけがない。」
シン「例えそんな強制的に『平和』になろうとも、何処かで反発が起きてまた新たな争いが生まれるぞ?」
刹那「破壊する…! アロウズを倒し、イノベイターを駆逐する。俺が、俺の意志で。」
ラッセ「乗ったぜ、刹那。」
ロックオン「俺もだ。」
ミレイナ「はいです。」
イアン「そうだな。」
シン「やるからにはとことんやってやるさ。」
ティエリア「皆、僕も彼らと…」

言いかけるティエリアの肩に手をかけるスメラギ。

スメラギ「大体の事情は判ったわ。でも、今しなければならないのは、敵の衛星兵器を破壊することよ。」
ティエリア「スメラギ・李・ノリエガ…」
スメラギ「あなたは私たちの仲間よ。」
ティエリア「………」

ティエリアは困った様な笑顔をした。
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