『灰色の運命』2
□第31話 再会と歪み
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地球連合軍ダイダロス基地での事態はプラント評議会の耳にも届いた。
『正体不明の部隊が地球連合軍のダイダロス基地とレクイエムシステムを破壊した』と。
プラント評議会は協議の結果、ミネルバをダイダロス基地に調査派遣する事を決定し、ミネルバと同伴のナスカ級高速戦闘艦2隻はダイダロス基地に向かった。
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プトレマイオス2はダイダロス基地から然程離れていない月面に光学迷彩を展開しながら停泊していた。
シン「…まだオーブ戦からそんなに時間は経ってないのか…」
シンは自室でフェルトが入手した情報を調べていた。
オーブはあの戦いの後、プラントによる暫定政権が樹立。
オーブの次期首領は、ロンド・ミナ・サハクになる見通しだ。
とはいえ、この事に関してはこの物語に殆ど関わらない事を留意して頂きたい。
シン「と、なると、死んだと思ってたシン・アスカが突如成長した姿で皆の前に現れるってことか? はは…マジか。」
シンは苦笑いを浮かべながら頭を掻いた。
シン「でも、それはそれで面白いかもな。」
シンは笑いながら腕を頭の後ろで組み、椅子の背もたれに背中を預けた。
シン「でも…まあ…『今更』会う気になるかっていったら…ねぇ…?」
シンはそんな独り言を呟いた。
ピピッ!
シン「ん? 何だ?」
シンは通信を開いた。
フェルト『シン。』
シン「フェルト? どうしたんだ?」
フェルト「とにかくこれを見て。」
フェルトは光学カメラの映像を出した。
シン「ッ!?」
シンはその映像を見て、目を見開いた。
シン「これは…まさか、『ミネルバ』!?」
映像に映っていたのは、ミネルバと2隻のナスカ級だった。
フェルト「やはりそうでしたか。」
シン「………」
シンは食い入るようにモニターを見た。