小宴会
□赤い星に生まれて
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彼女はよく言ってた。
今日も平凡だった。って。
僕はいつもこう言った。
いつもと変わらないなんてことは無い。
毎日が違うのは当然。
ただ、
何も感じないから、
平凡だと思ってしまうんだね。
そしたら彼女はこう言うんだ。
だから、
今日も平凡だったよ。
そのやり取りのあと僕らは決まって手を繋ぐんだ。
僕は毎日が違うことはわかっていたはずだった。
でも
もう何も思わない。
そりゃ、毎日毎日、敵国の戦闘機は来る。
そのパイロットに違いはあるし、
降って来る花火も違う落ち方をするけど、
僕にはもうおなじにみえる。
僕に違いはわからない。
ああ、肌が焼けるように熱い。
手をつないでいたはずの彼女は、
もう手しか残っていないや。