小ネタ置き場

番外までいかない、思いついたネタを置く場所
◆no title 

じわりと歪む視界。
勝手に震える身体。

…ポタリと落ちる雫。

それら全てが自分が泣いているのだと…教えてくれる。

何故こんなくだらない事で泣かなければならないのかと…悔しさと情けなさ、そして怒りが湧く。

全ての原因は足元に転がるこの男。

ただ一言で浮かれもするし、落ち込みもする。
滑稽な程に感情を支配される。

因果な性(さが)だと…己の一族の血を恨む。

「………どうした?」
「別に」

急に泣き出した瑠璃を不審がってか、李土にしては珍しく気遣う口調で問いかけてくる。
それに素っ気なく答えるも、声には涙が混じっており、惚けることはできない。

「……そんなに嫌なのか?」
「嫌よ」

ついで、伺う様に問いかけられたソレに即答すれば沈黙が落ちる。
ぐすりと、鼻をすする音がやけに大きく響き情けなさを上長する。
滲んだ涙を袖口で拭き取るが、後から後から零れ落ちてきて間に合わない。

「………わかった」

本格的に泣き出すまで後数秒…といったところでかかる声。
苦渋の決断をするかの様に、重々しく、苦々しく李土が口を開く。

「…諦める」

続けて言われたソレに、涙が止まる。
…いったい何の話だろうか?と首を捻り、そもそもの発端を思い出す。

………実にくだらない、発端を。

END

次回、ケンカの理由が明らかに!
と無意味に煽ってみる(笑)


2014/08/24(Sun) 23:54

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