小ネタ置き場

番外までいかない、思いついたネタを置く場所
◆no title 


「で?」
「………」

とりあえず、性質の悪い嘘をついた罰だと…瑠璃の気が済むまで殴られ血まみれになった李土は口を開く事が出来ない。
それでも瑠璃の問いには答えなければならない。
漠然とした問いにどう答えればいいのか…迷っていれば冷たい目を向けられる。
恐らくは“何故”こんな事をしたのかはわかっているのだろう。
問題はその理由。
そうと推測できても李土が答えられる理由は1つしかない。
傷つけられた喉はまだ回復しておらず、声を発する事が出来ないので…己の血を使ってどうにか動く左手を使い“4/1”と絨毯に文字を書く。
紅い、毛足の長い絨毯はとても書きにくかったが意図はきちんと通じたらしい。
ふぅ…。と唾棄する様な重い溜め息を吐いた瑠璃の視線は先ほどよりも冷たさが増した。

「で?」
「………」

そのうえで先ほどと同じ問いをされる。
それに。
元はと言えば瑠璃が事の発端ではないか…!と。
声でも視線でも訴える事ができない李土は1人静かに去年の4月1日、すなわち“エイプリルフール”を思い出した。

END

続きは明日。
………たぶん。



2015/04/01(Wed) 23:53

[コメント書込]

[戻る]
[TOPへ]
[カスタマイズ]



©フォレストページ