うた☆プリ!!R-15
□愛してるのは【完結章】
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「っ・・・」
何気なく開いた口からは、声にならない声が。
どうして私は・・・・こんなところにいるの?
私がいた場所は真っ白で、本当に何もなくて・・・。
どうすればいいかわからなかった。
「美風先輩!」
思わず叫んだ名前は一十木くんではなく、先輩の名前だった。
『そう・・・それがあなたの望む人なのね?』
「誰!?ここから出して!」
頭上から聞こえ、声の主もわからないまま、あたりを見回す。
しかし、目覚めたとき同様、足元にも上にも左右前後にも何もなくて、戸惑う。
『あなたは、たった一人の殿方を望みました。ここは愛の宮殿』
わけのわからない。
愛の宮殿て・・・胡散臭い。
なんなんだ一体・・・・。
「どうしたら帰れるの?」
私の問いかけに、相手は答えない。
顔も見えない上に正体もわからない。相手の様子をうかがうことが出来ない。