イヴのキセキ

□プロローグ
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殆どの人間はルパンは死んだと思っているらしい。だが、次元はそうは思わなかった。否、思えないのだ。ルパンと最後の最後まで会話していたのは、次元なのだから。

「・・・何で、お前は消えちまったんだ?」

そう呟いても答えてくれる相棒は居ない。次元は自分を嘲笑う。

煙草を地面に落とし火事にならないように踏み潰す。そして帽子を支えるように持つと、次元は目を瞑った。






























「次元ちゃ〜ん?どうしちゃったの?」

「・・・は、え?」

パチクリ。まさにそれが似合う程、次元は驚いた。思わず、目の前の人間を焼き付けるように見てしまう程。

目の前の赤色のジャケットを着た男は困惑したように次元の名前を呼ぶ。

「次元?お前ホントにどしたの?」

「・・・お前、ルパンか?」

「?当たり前でしょ〜が。」

次元は信じられない、と目の前の男―――ルパンの顔を見る。

目の前には3年前以来消えて居なくなってしまったルパンが居たのだ。

目の前のルパンは首を傾げ、ただ次元を見る。次元は逢いたくて仕方なかった相棒を見て、口元を緩める。

「久しぶりだな、ルパン。」

「・・・次元お前ホントに大丈夫か?」

昨日会っただろうが、とルパンは苦笑する。だが、それに次元は首を傾げた。

「昨日?何のことだ?お前の姿を見るのは3年ぶりだが?」

「さ、3年!?」

そりゃねぇわ次元!とルパンは叫ぶ。何故だか噛み合わない話に、二人は同時に首を傾げる。

「・・・まぁいいか。次元、はやく仕度しろよ?仕事だ。」

「あ、あぁ。」

噛み合わない話に飽きたのか面倒だったのか、ルパンは首を振るとニヤリと笑った。懐かしい、仕事をする時の悪い笑顔だ。次元の唇もルパンのようにニヤリと笑う。楽しみでしょうがない、とでも言うように。

「仕度したら直ぐ出発だからな次元!」

「あぁ!ちょっと待ってろ!」

いつの間にかクリスマスツリーの下ではなくアジトに居たことにも気付かず、なんだか懐かしいやり取りだ、と次元は煙草に火をつけながら思った。






























プロローグ
始まりは突然に






























これは、サンタクロースが大人な子供に贈った、クリスマスプレゼント。





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