イヴのキセキ
□第二章
2ページ/5ページ
『どんな感じだ?』
『先程電話した時よりも警備員の人数は増えたぞ。』
『だろうな。まぁ俺達相手に警備員を増やしても意味はないがな。』
『言うねぇ次元。五エ門、とっつあんは?』
『妖精の粉の前で張り込んでいる。』
『とっつあんらしい。』
『だな。』
三年前と全て同じ。ちょっと違うのは俺が会話に参加してないことだけで、でも内容は全部一緒。動きも、あの笑いも。全て。
きっとこのあと、五エ門から美術館内の地図を貰うんだ。
ありがとな五エ門、ってルパンが笑うんだ。
「そうだルパン。これが美術館内の構造だ。」
「おぉ!ありがとな五エ門!」
ほら。
全てが同じで笑いたくなる。なんて滑稽なんだ。なのに、俺だけ違う。俺だけが違う。なんて、
なんて滑稽なんだ。
「・・・クッ。」
「どうしたのだ次元?」
「さァ?今日コイツ変なんだよ。」
漏れた笑いにいぶかしむ二人。次元はそんな二人に堪えきれずににやける顔でなんでもない、と言った。
→