イヴのキセキ
□第四章
5ページ/5ページ
「警部!銭形警部大変です!」
「なんだ?」
「ルパンが・・・!ルパンが三人もッ!!」
「な、なにィ!?」
驚いて声をあげる銭形に、壁の後ろにいるルパンは声を出さず笑う。どうやら作戦は成功しているようだ。
不二子が来たのは計算外だったが、有り難い。もうひとつの計画の邪魔をする警備員の人数は出来るだけ減らしたい。
ルパンはじっと耳をすます。辺りは静かだ。壁の向こうから銭形の声が聞こえてくる以外は。
バァン!!
妖精の粉の部屋のトビラを開けただろう音を聞いて、ルパンは窓ガラスに手をかけた。
『おい次元。』
『なんだルパン。』
『ちょーっとお願いがあるんだけど。』
『嫌だ。』
『まだなんにも言ってないじゃない!』
『嫌な予感がするんだよ。』
『そう言わないでさ〜!』
「ったく。」
次元は今五エ門と不二子と別行動をしていた。次元の後ろには30人程の警備員の数。不二子が居なければ次元の後ろを走る警備員の数はもっと多かっただろう。
次元はルパンの格好をして、五エ門達とは違う通路を走っていた。ルパンに頼まれたのだ。お宝を盗ってきてほしいと。
ピーターパンのお宝である、
影縫い道具と緑の帽子を。
どうやら、違う部屋にあるらしく、ルパンは三世としてのプライドもあるのだろう。ピーターパンのお宝全てを盗んでやる、と言ったのだ。
全く、巻き込まないでくれ。次元は溜め息を吐く。
暫くするとトビラが見えてきて、次元は勢いよくトビラを開けた。
第四章
同じ展開に彼は絶望した
時間がないことに幼い大人はただただ嘆く。
第五章へ→