イヴのキセキ
□第四章
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「不二子!」
「ルパンの‘後ろに行けばわかる’ってこう言うことだったのね。」
不二子は相変わらず露出が激しい格好で次元達の方へ向かってくる。何故ここに居るんだ、と五エ門が聞くと不二子はくすりと笑う。
「ルパンがどうしても妖精の粉を手に入れたいって言うから、手伝ってあげようと思って。」
まぁ、多少は粉をわけてもらうつもりだけど。そう言う不二子に次元は呆れる。
「いいのか?こっちは囮役だぞ?」
「構わないわ。」
さらりと返事を返す不二子。それだけ執着しているのだろうか。妖精の粉に。
寧ろお金に。
「計画はルパンから聞いてるか?」
「えぇ。ただ真っ直ぐ妖精の粉がある部屋へ走ればいいんでしょ?」
「あぁ。」
そう答えて次元は時計を確認する。10:55・・・時間だ。
「行くぞ。」
「えぇ。」
「うむ。」
バァン!!と激しくトビラの音を鳴らし、三人は侵入した。
今回は囮は囮でもただの囮ではない。真っ直ぐ進むのだ。ルパンが居ないことなんて直ぐにバレてしまう。そこで、ルパンが考えた計画とはこうだ。
『ただし、』
『ん?』
『ルパン(俺)の格好したお前等が、ね。』
『は?』
そう、正面突破するのはルパンではない。ルパンの格好をした次元達だ。そして、ルパンは後ろの窓から侵入する。簡単だが難しい。
「ルパンだ!」
「ルパンが・・・三人!?」
「どれが本物のルパンなんだ!!」
「まさか全部ルパンか!?」
どうやら計画は順調らしい。動揺する警備員達を無視し、ただ真っ直ぐ走る。
「何よこれ!聞いてたのより人数多いじゃない!」
「そりゃ二回目だしな。」
不二子の悪態に次元は小さく返事を返す。これでとっつあんも騙されてくれると有り難い、と思いながら。
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