イヴのキセキ

□エピローグ
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「次元。」

「!五エ門。」

次元が涙を拭い目を開けば、そこは商店街にある大きなクリスマスツリーの下だった。三年後に戻ってきたのか、と次元は推測する。

「すまぬ、少し遅れた。」

「いや、別にいい。」

次元はそう言って吸っていた煙草の煙を口から吐き出す。それを地面に落とし、靴で踏むと、次元は五エ門を見た。

五エ門は一瞬次元と視線を絡めると、そらし口を開く。

「・・・三年ぶりだな、アレを見るのは。」

「・・・そうだな。」

五エ門の言葉に次元も返事を返す。二人が見つめる先にはあるのは、ピーターパンのお宝が置いてある、例の美術館だった。

「電話では妖精の粉手に入れたって言ってやがったのにあのバカは。」

「仕方なかろう、ルパンなのだから。」

「確かに。」

小さく笑って、次元は口元を引き締める。三年ぶりに狙うお宝は、二度、ルパンが入手失敗した妖精の粉だ。たまたま、そう、ほんのたまたま、ルパンの言葉を思い出したのだ。

























『なぁ次元。』

『なんだ。』

『もしかしたら、あの妖精の粉は―――。』

























「麻薬、か・・・。」

そう、ルパンは一度臭いを嗅いだ時に麻薬の臭いだったことに気付いたのだ。

確かにそれなら、空を飛んでいるような浮遊感を感じるだろう。妖精、なんて本当は存在しないのだから。

ただ、その時はどうせルパンが手にいれるのだから、と考えていたからどうでも良かったのだ。

「・・・。」

次元は時計を確認する。10:45。






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