shortstory

□新しいモノ
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ある日ひとりの少女がいました。


少女は新しいモノを探しに夜に森の中へ入って行きました。


夜の森には恐ろしい怪物がいると聞かされていましたが、なにも怖いものはありません。


森の奥の奥の奥に少女は入って行きました。


森の中を歩いていると何かを探しているキツネに会いました。


「なにをさがしているの?」と少女が聞くと、「弟の大事なモノを探してるんだ」とキツネは答えました。


大事なモノと言われてもよくわかりません。


「大事なモノって何?」と少女はキツネに聞きました。


キツネは少し待ってから答えました。


「それは生きてるすべてのモノにあるものなんだ。人にも動物にも。もちろん植物にも」


「?」


人と動物の生きている意味はわかりますが、植物はわからないので少女は首を傾げました。


そんな少女の様子を知ってか知らぬかキツネは続けます。


「でも無くしてしまうと……」キツネは言葉をきりました。


「死んじゃうの?」


キツネの様子が暗かったので少女は聞いてみました。


ですが「いいや違う。ちゃんと生きてるし動いてる」とキツネは否定しました。


「??」


少女はますます意味がわかりません。


「キミにはまだ難しいかな?」キツネは困ったように笑いました。


「うん……………」


「それがなんなのかまた大きくなったときに見つけてごらん」


「うん!わかった!」


少女は元気にうなずきました。


キツネは満足そうに微笑んでまた林の中に大事なモノを探しにいってしまいました。


少女はまだ進みます。


新しいモノをさがして………




              完

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