†頂き物†

□幸せのノート
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「あれ、兄さんこのノートは何?」


そう言われたので京介の方を見てみると、可愛い弟は一冊のノートを持っていた。


「あぁ、それか。それはまぁ…日記、みたいなものだよ。」

「日記?…見てもいい?」

「ふふっ、日記ってのは人に見せるものじゃないだろ?だから駄目。」


そう言うと京介は少し残念そうな顔をしたが、ノートをもとあった場所に置いてくれた。


「…京介、あれはね。幸せのノートなんだ。」

「幸せの、ノート…?」

「そう、幸せのノート。あのノートは、俺を幸せにしてくれるんだ。」


それだけじゃない。


「京介のこともね。」

「俺も…?」


京介は、不思議そうな顔をしている。それを見て、俺は微笑んだ。


「あのノートに何が書いてあるか知りたい?」

「…?き、聞いていいなら…。」


なら、よく聞いて。


「京介、君は愛されている。」

「……え?」

「俺や家族や友人たち。君は、世界に愛されている。どうかそれを、忘れないで。」

「…兄さん?」

「分かったかい?」

「う、うん…。」


頭に『?』を浮かべながらもうなずくその姿を見て、俺はまた微笑んだ。
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